野手陣も軒並み低調の中、ひとり際立った成績を残しているのが大島洋平だ。昨オフにはFA移籍も噂されたが、森監督の説得もあり残留した。開幕から1番打者としてハイアベレージを残し、現在は3番打者としてリーグトップの打率.366をマーク。打率だけでなく、出塁率、長打率、さらに得点圏打率でも4割台を記録するなど、打線の軸となっている。

 内野手では、ルーキーの京田陽太が開幕スタメンのショートで起用され、12球団ルーキー最速で初安打を記録した。打率は2割前後とバッティングに課題は残るが、堅実な守備と俊足が評価され、森監督が就任直後から掲げる「足を使った攻撃」を実践する選手となっている。

 投手では、開幕時はリリーフとしてスタートした又吉克樹が、4月13日のヤクルト戦から先発に転向し、3試合でいずれも7イニング以上を投げて2失点以内と好投を続けている。27日現在の防御率は0.88と抜群の安定感だ。又吉の抜けたリリーフでは、育成から支配下登録されたプロ2年目の三ツ間が、14試合に登板して7ホールド、防御率1.38と好成績を残している。

 スタートでつまずいた中日だが、最近8試合では5勝2敗1分と調子を上げており、最下位からも脱出した。これから気温が上がってくれば、ビシエド、ゲレーロの打棒も上向くことが予想される。さらに荒木が通算2000安打まであと24本まで迫っており、記録へのカウントダウンがチームの一体感につながる可能性もある。大野や吉見、さらに二軍降格した若松も、このまま未勝利でシーズンを終えるはずもない。現在のチーム状態での借金4は、むしろ健闘している部分に入ると言うべきかもしれない。かつての常勝軍団のBクラスからの逆襲は、決して夢物語ではない。