苦しいチーム状況でも野手陣で1人気を吐く大島洋平(c)朝日新聞社
苦しいチーム状況でも野手陣で1人気を吐く大島洋平(c)朝日新聞社

 代行監督から昇格した森繁和監督率いる中日が27日現在、8勝12敗3分の5位と低迷している。落合博満、谷繁元信と2人の元監督のもと、名参謀として名を馳せた智将も、4年連続Bクラスのチームの立て直しは容易ではないようだ。

 開幕前の解説者による順位予想では、中日はほとんどがBクラスで、最下位とする声も少なくなかった。森監督は「その通りじゃないですか」と、自虐的なコメントをしたが「選手の気持ちの中で、少しでも上にというのは心のどこかにあると思う」と、密かに巻き返しを狙うシーズンでもあった。

 しかし、開幕カードで巨人に3連敗を喫すると、続く広島との3連戦も2敗1分と勝ち星がなく、ようやく初勝利を挙げたのが3カード目のDeNA戦だった。その後も本拠地ナゴヤドームで巨人、阪神相手に3連敗するなど、15試合目まで連勝がなく、ようやく4月19、20日の阪神戦で今季初の連勝を記録したが、いまだに3連勝はない。低迷の大きな要因となっているのが、外国人選手の不振だ。打線では、クリーンアップに期待されたビシエドとゲレーロのキューバ人コンビが揃ってスランプに陥っている。両選手とも打率は2割台前半で、本塁打も2本ずつと当初の期待を大きく裏切る成績で、現在はビシエドが5番、ゲレーロは7番に降格している。投手陣でも、クローザー候補として獲得された新外国人のアラウホとロンドンが、オープン戦ではいずれも不安定な内容で、両投手とも開幕から二軍暮らしが続いている。

 日本人選手でも、先発ローテの左右の軸に期待された大野雄大、吉見一起の実績組が未勝利で、15年に2ケタ勝利をマークし、昨季も7勝した若松駿太にも勝ち星がない。リリーフ陣も、抑えに起用されている田島慎二は6セーブを挙げているが、防御率は3点台と安定感に欠ける。WBCに出場した岡田俊哉は防御率6点台で二軍に降格し、一時代を築いた岩瀬仁紀、浅尾拓也も、目を覆いたくなるような成績だ。

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