欧米やオーストラリア、韓国など多くの国には国家資格制度があり、眼科医と眼鏡士の仕事のすみ分けができている。日本も眼鏡専門学校などで学び、実践で経験を積んだ優秀なメガネ店員は多いが、極端な話、知識のない人がメガネを作っても問題にはならない。

 国内での目安のひとつに、公益社団法人日本眼鏡技術者協会の「認定眼鏡士」資格がある。7800人余りが認定され、ホームページで店舗検索もできる。

【使うときに気をつけたい5カ条】

1.裸眼は禁止
遠視ぎみの人ほど脳が「裸眼が一番いい」と認識しているので、朝布団から出るまえにメガネをかけて「これが普通の状態」と脳に認識させること。

2.遠くを必死に見ない
遠用部に度が入ると、遠くの看板などが見えにくいと感じることも。でもそれは、裸眼で遠くを見ていたころの名残。レンズの調節力に任せてリラックスして見るうちに、遠くもよく見えるようになるので、かけはずしはしないこと。

3.レンズの位置に注意
見えにくさを感じたら、レンズと目の位置がずれている可能性もある。メガネ店で調整してもらおう。

4.5年程度で度数見直し
40代半ばから50代後半までは老眼が進行する。60代で安定するまで、3回はレンズの買い替えが必要。

5.慣れたら二つ目も
働く世代に、オフィス内で焦点の合う「中近レンズ」や、パソコン画面と手元の両方を見る「近近レンズ」は便利。「遠近」に慣れたら考えてもいい。

(文・神素子)

※『老眼&白内障完全ガイド 眼のいい病院2017』より