五回表全セ無死、本塁打を放ちバレンティン(左)に迎えられる筒香 (c)朝日新聞社
五回表全セ無死、本塁打を放ちバレンティン(左)に迎えられる筒香 (c)朝日新聞社

 プロ野球の「マツダオールスターゲーム2016」(ヤフオクドーム)は、両軍合わせて5本のアーチが飛び交う空中戦の末、全セが5対4で全パに逃げ切り勝ち。前年からの連勝を「3」に伸ばした。

 立ち上がりは、和田毅(ソフトバンク)と菅野智之(巨人)の両先発が完璧な投球を披露し、ともに2イニングを6人斬り。試合が動いたのは4回表、2死走者なしから打席に入った坂本勇人(巨人)が、2番手・石川歩(ロッテ)のストレートを捉えてレフト席中段に自身オールスター4本目のアーチを突きさし、全セが1点を先制。続く5回には、3番手の則本昂大(楽天)に対して、筒香嘉智(DeNA)がライトへ、さらにバレンティン(ヤクルト)が右中間へそれぞれソロ本塁打を放ち、リードを3点に広げた。

 一方、4回まで無安打に抑え込まれていた全パは、5回に長谷川勇也(ソフトバンク)が、3番手・野村祐輔(広島)からソロ本塁打を放って反撃開始。8回には、5番手・マシソン(巨人)に対して、鈴木大地(ロッテ)の二塁打の後に、田村龍弘(ロッテ)がライトへのタイムリーで続いて1点差に詰め寄った。

 1点を争う白熱の展開は最後まで続き、9回表には2死二、三塁から代打で登場したルーキー・戸柱恭孝(DeNA)が、ソフトバンクの守護神・サファテから2点タイムリーを放てば、その裏にプロ15年目で初のオールスター出場に燃えた栗山巧(西武)が、広島の守護神・中﨑翔太から右中間へ球宴初打席初本塁打となる会心の2ランを放って再び1点差に。「最後ドキドキしましたけど勝てて良かったと思います。本当に見ていて頼もしいメンバー。贅沢につかった、気分の良いゲームでした」と全セを率いた真中満監督(ヤクルト)。目の離せない好ゲームに、満員のスタンドは最後まで釘付けとなった。

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