「夏休み勉強法」一つ目は、夏休みから本格的な勉強期間が始まると意識し、「広く浅く」の勉強に徹することだ。

 勉強の基本は大枠を把握してから細部の知識を拾うこと。決して細部の知識からインプットしようとしてはいけない。知識は全体のなかでの位置づけが分からなければ頭に残らないからだ。

 時間がたっぷりある夏休みは、大枠の勉強には適した期間でもある。高1や高2で勉強したことの総復習や、全体を把握できる比較的薄い問題集に取り組むといいだろう。

「夏休み勉強法」二つ目は、集中力を維持するためのコツ。一日のほとんどの時間を勉強にあてるなら、勉強時間を三つに分けて、時間帯によって勉強の場所を変えるのだ。例えば午前、午後、夜に勉強時間を分けて、午前は自分の部屋で、午後からは勉強可のファミレスに移動して、夜は予備校や塾の自習室に行って勉強をする。

 気分転換に場所を変えて勉強したら意外とはかどった、という経験はないだろうか。人間の集中力は「場所のマンネリ化」によって想像以上に低下するため、時間帯によって場所を変えることで集中力を維持することが可能になるのだ。

 最後は夏休みを通して勉強を続けるコツについて。まとまった期間をしっかりと勉強にあてるためには習慣の力を借りること、これに尽きる。学校に行かない日がしばらく続くと、ついダラダラしてしまうという人も少なくないだろう。これを回避するのはモチベーションや気合いといった捉えどころのないものではなく、「習慣」という毎日の仕組みだ。

 夏休みは毎日同じ時間に起きて、同じ時間に食事をし、同じ時間に机に向かう。取り組む科目も固定して、たとえば朝は英語、夜は世界史といった要領で毎日たんたんと勉強をこなせるようにする。若いうちは何に対しても適応するのが早いから、数日まったく同じリズムで生活しているうちに習慣になる。

 紹介した「夏休み勉強法」を駆使して、この夏で志望校にグッと近づこう。夏休みに入って、「もう1週間以上が経ってしまった」のではなく「まだ1カ月もある」のだから!