(C)Takehiko Nakafuji
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中藤毅彦さん
中藤毅彦さん

 先に発表になったように、第24回林忠彦賞が中藤毅彦の写真集『STREET RAMBLER』に決定した。受賞作品展は各地で開催されるが、東京は六本木の富士フイルムフォトサロンで、その後、山口県の周南市、北海道の東川町へ巡回する。
「林忠彦賞」は、戦後の写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦(山口県・周南市出身)の業績を記念し、周南市と公益財団法人周南市文化振興財団が1991(平成3)年度に創設した。時代を共有する写真を撮り続けた林忠彦の精神を継承し、それを乗りこえ未来を切り開く写真家の発掘を目的に、毎年プロ・アマチュア問わず写真を募集している。

 今回の受賞作『STREET RAMBLER』は、ストリートスナップを一貫して撮り続けてきた作者の集大成とも言える作品。ハバナ、ニューヨーク、モスクワ、上海、パリ、ベルリン、東京と、20世紀に劇的な変化を遂げた7都市の姿が収められている。
 これら7都市を選んだ理由として、中藤は「20世紀の壮大な実験でもあったとも言える社会主義とその崩壊、その二項対立としての資本主義という概念を下敷きに考え、自分なりに世界をとらえた上で象徴的に思えたからである」と語る。

中藤は都市の持つ歴史的意味合いにも思いを馳せながら、都市の風景とそこに生きる人びとをとらえている。粗い粒子と白黒のハイコントラストの画面は、「都市」の姿を生き生きと見るものに訴えかけてくる。モノクロプリント70点を展示。

なかふじ・たけひこ
1970年東京生まれ。 早稲田大学大一文学部中退。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。 都市のスナップショットを中心に作品を発表し続けている。 国内の他、東欧、ロシア、キューバ、パリ、ニューヨークなど世界各地を取材。作家活動とともに、東京四谷三丁目にてギャラリー・二エプスを運営、写真集に『Enter the Mirror』『Winterlicht』『Night Crawler』『Sakuan,Matapaan-Hokkaido』『Paris』『STREET RAMBLER』がある。第29回東川賞特別作家賞受賞。第24回林忠彦賞受賞。

■林忠彦受賞記念写真展(東京展) 中藤毅彦「STREET RAMBLER」
会場:富士フイルムフォトサロン
開催期間:2015年4月17日(金)~4月23日(木)
開館:10時~19時
休館日:会期中無休
住所:東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン フジフイルム スクエア
TEL:03-6271-3351

■林忠彦受賞記念写真展(周南展) 中藤毅彦「STREET RAMBLER」
会場:周南市美術博物館
開催期間:2015年5月15日(金)~5月24日(日)
開館:9時30分~17時
休館日:月曜
住所:山口県周南市花畠町10-16
TEL:0834-22-8880

■林忠彦受賞記念写真展(東川展) 中藤毅彦「STREET RAMBLER」
会場:東川町文化ギャラリー
開催期間:2015年11月29日(日)~12月13日(日)
開館:10時~17時30分 (最終日15時まで)
休館日:会期中無休
住所:北海道上川郡東川町1-19-8
TEL:0166-82-4700