東京医科大が入試選考で女子合格者数を減らすように調整したことが、大きな波紋を呼んでいる。医師をめざす女子受験生にとっては、深刻な問題だ。自分はどこまで勉強したらいいのか、自分が入れる医学部はあるのだろうか、と。
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いま、医師養成学部(医学部医学科)に女子学生はどのくらいいるのだろうか。医学部医学科の女子学生数について、入試情報(受験者数、合格者数、入学者数)はいくつかのメディアで紹介されたが、全学生数(1~6年生)に対する女子学生比率は詳らかにされていない。
毎年、『大学ランキング』編集部では、医学部医学科の女子学生数を調査している。そこで、医学部医学科がある大学すべてのデータを、北から国公私立の順番に紹介しよう(2017年度。1~6年生。東京大は教養課程に該当する1、2年を除き、医学部医学科3~6年の合計。東京女子医科大、防衛医科大学校を除く)。
医学部医学科で女子が少ない大学については、高校、予備校、他大学、メディアなどから、つぎのような見方がなされる。
1. 超進学校の男子校から超難関大へ
女子学生比率が低い大学上位は九州大14.9%、大阪大15.8%、東京大16.0%、東北大16.3%、京都大16.4%。すべて帝国大学をルーツに持つ。ほかに名古屋大22.4%、北海道大23.1%。これらの大学はもともと女子受験生が少ない。
出身高校別でみると、東京大理III(医学部進学課程)の合格者上位3校は筑波大学附属駒場17人、灘15人、開成10人。京都大医学部医学科は灘22人、洛南13人、東大寺学園11人。洛南を除くとすべて超進学校の男子校であり、秀才、天才男子が東大、京大に押しかける。なかには日本で最難関の理IIIを受けて自分の頭の良さを確かめたい男子もいる。一方、女子は医師になるために東大、京大のような難関校に進まなくてもよいと考える人が多い――。
2. 女子は研究者より臨床医志向
医師志望の動機づけとして、男子は医療の最先端研究分野に取り組みたい、女子は臨床分野で多くの病人を治したい、という違いがある。だから、研究重点型(東京大、京都大など1の大学)に男子が集まった――。