【ケース2 コスプレの撮影は独自ルールが満載 事前のチェックが肝心】
海外のファンも年々増えているコスプレの世界。
「コスプレイヤーは人に見られ、撮影されることを理解しているので、本人の承諾が得られれば問題ありません」
コスプレイベントでは主催者が撮影ルールを設けていることが多い。たとえば「NEWレイヤーズ★パラダイス」の場合、
<必ず本人の許可を得ること>
<下着目当てや盗撮、ポーズ指定時の身体接触など、コスプレイヤーに迷惑がかかる方法での撮影は禁止>
といったルールを設けている。
注意したいのはオフショットだ。衣装のままお弁当を食べていたり、カツラを外していたりするところなどはユニークな場面だが、本人がこうした姿を撮られてもいいと思っているとは考えにくい。
「本人をアップで撮るのは肖像権侵害です。ただし、これが公道だった場合、コスプレイヤーを望遠で大きく撮影せず、風景の一部として写すだけなら差し支えないでしょう」
■展示の撮影はどこまで可?
最近、撮影を許可する写真展や美術展が増えている。これはSNSを通じた宣伝効果を期待してのこと。ただし、作品自体の撮影を許されるケースはまれで、「スマホでの撮影のみOK」「三脚使用はNG」といったケースもある。もっとも、撮影可にすることで、作品を一点撮りされないレイアウトが必要になるなど、主催者側の負担も増しているようだ。
◯三平聡史(みひら・さとし)
みずほ中央法律事務所代表弁護士。同事務所のホームページでも撮影と法律に関するコラムを執筆している。
(文/吉川明子)
※アサヒカメラ特別編集『写真好きのための法律&マナー』から抜粋