ところが、小泉氏は、マスコミの前で、池田氏とのツーショットを撮影させ、「選挙には一切かかわらない」と言いながらも、「頑張って」と握手をするなど、最大限のサービスをした。これはテレビでも報道され、池田氏が脱原発の伝道師であり保守層に絶大な人気を誇る小泉氏から「脱原発候補」のお墨付きを得たことが大々的に報じられた。これで、さらに池田陣営は盛り上がった。

 ところが、自民党の2回目の調査では、自民党候補のリードが、逆に6~7ポイントに広がったという情報が流れると、池田陣営には衝撃が走った。本来は、敵陣営に並びかけ、追い抜こうという時に逆の結果が出たのだから、当然のことだ。

 自民党は正式支持を決めたことで、これから大物クラスが新潟入りするだろう。二階氏も中盤以降テコ入れに動くと言われる。

 ただし二階氏と言えば、古くてダーティーな自民党の象徴となる政治家だ。前回の知事選でも、新潟入りして業界団体にはっぱをかけたが、これに対する現場の反発が強く、かなりの票が米山氏に流れたと言われている。また、二階氏の動きがネットなどで拡散し、無党派層にも悪影響を与えたという分析もある。

 一方、二階氏の力は侮れないという声も根強い。ある市民連合側の国会議員は、「今回の自民側の中央からの締め付け、嫌がらせは尋常じゃない。こんなのはじめてだ」と語っている。二階式選挙が吉と出るのか凶と出るのかも重要なポイントだ。

 もう一つ、気になるのが、投票率だ。中央の議員たちは結構関心を持っているのに対して、地元では、「米山氏のスキャンダルの時は非常に関心を集めたのに、選挙があることを知らない人も結構います」という記者の声もある。これは自民側には有利だ。

 その一つの理由に、野党側のテコ入れが今一つだという面がある。20日には枝野幸男・立憲民主党代表らが新潟入りしたが、その後の大物議員の投入は、27日の国対委員長クラスのそろい踏みだけ。と言っても名前が知れているのは辻元清美衆院議員くらいのものだ。最初の土曜日の26日も、大物は入らず、国会中とはいえ、党首クラスのそろい踏みの設定には、「いろんな手順を踏まないといけないので、大変なんです」と地元の選対の声が聞こえてくる。6月2日には実現したいということだが、そんなことに手間取っていては、その他の有名人などの選挙応援の設定も遅れる。大物や有名人が入らないとテレビでの報道が増えず、選挙への関心が高まらない。その結果、低投票率が懸念されるということになるのだ。

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