また、前回の米山氏の選挙では、全国の関心が高まり、日本中から、でんわ勝手連などによる新潟県民への投票呼びかけが大きな効果をもたらしたが、このままでは、それも盛り上がらない可能性がある。

■今後のカギを握る4人の男たち

 知事選は長い、まだまだこれから何が起きるかわからない。そんな中で、選挙戦に大きな影響を与えそうな人物が4人いる。

 まず、誰もが思い浮かべるのが、小泉進次郎氏が新潟入りするかどうかだ。小泉氏は前回総裁選で石破氏に投票したと明かしたように石破氏に近い。二階派が仕切ると言われる今回の選挙だが、沖縄の名護市長選で見せた小泉氏の応援の威力は破壊的だった。今回も同氏が入れば、安倍不人気を吹き飛ばす効果があるかもしれない。ここで勝てば安倍氏が総裁選で有利となり、石破氏には不利に働く。これを知ったうえで、小泉氏がどう対応するのか。二階氏と小泉氏の駆け引きは見ものである。

 もう一人、言われてみれば、確かに、と思う人がいる。それは米山隆一前知事だ。スキャンダルで辞任したことによる選挙に関わるのは控えるというのが、米山氏の立場だろうが、同氏が辞任するときは、かなりの数の支持者が辞任反対と叫んでいた。潔い辞め方でかえって同情を集めて、好感度が上がったと見る向きもある。米山氏が、今後の政治活動をどう考えているかはわからないが、再起をかけるとすれば、これまで挑戦してきた新潟5区での衆議院選挙出馬だろう。5区には前回選挙で泉田裕彦元新潟県知事が当選したが、彼はバリバリの「二階派」である。ここで、米山氏が「真の脱原発候補は池田千賀子氏だ」と唱えて、事実上の二階派である花角陣営と戦っておけば、次の衆議院選挙の布石にもなる。もし、彼が動けば、テレビで大きく報じられる可能性は高いし、ネットでも反響を呼ぶだろう。池田陣営にとって、最後の切り札になるかもしれない。

 一方、安倍陣営が期待する第3の男がトランプ大統領だ。6月8日に予定される日米首脳会談やG7サミットなどで、ツーショットを大きく報じてもらい、さらに日本が蚊帳の外だと馬鹿にされている北朝鮮問題での連携を見せられれば、安倍不人気解消に大きく役立ち、知事選最終盤なので、投票行動に影響を与えられるのではないかというのだ。

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