快適な寝床内環境は「温度33度±1度」「湿度50%±5%」が理想とされている(photo 片山菜緒子)
快適な寝床内環境は「温度33度±1度」「湿度50%±5%」が理想とされている(photo 片山菜緒子)
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 在宅勤務が浸透したことで柔軟な働き方が可能になったが、悪影響も見逃せない。睡眠のリズムが崩れや運動不足による、睡眠の質の悪化だ。どうすれば睡眠の質を改善し、「攻めの睡眠」を実現できるのか。AERA 2023年2月13日号の記事を紹介する。

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 睡眠がさまざまな嬉しい効果をもたらしてくれることも、最新の研究で明らかになってきた。肌質の改善や肥満改善の可能性を示唆したのは、寝具メーカー・西川の研究機関である日本睡眠科学研究所と同志社大学アンチエイジングリサーチセンター米井嘉一教授との共同研究だ。研究所長の野々村琢人さんが解説する。

「睡眠の改善により、肥満予防につながる短鎖脂肪酸を作り出すヤセ菌が増加することが、腸内細菌叢(そう)の解析で認められました。エネルギー代謝や基礎代謝の向上に繋がり、太りにくくなるということが考えられます」

 肌質に関しては、睡眠改善による成長ホルモンの分泌の増加、メラトニンの分泌量増加、糖化ストレスの軽減などが関係していると見られている。

「年を取っても成長ホルモンというのは必ず出ています。その割合が下がってしまうと新陳代謝がしにくくなる。肌で言うとターンオーバーが悪くなってしまうんです。睡眠改善によって、研究では肌のハリ、潤い、キメの改善が認められました」

 これらの研究で使用されたのが、西川の4層特殊立体構造マットレスと呼ばれる寝具だ。一体何が特殊なのか。

「以前はマットレスに関しては、体圧分散のみが大事と考えられていましたが、最近の研究では、体圧分散の他に寝姿勢保持と寝返りを打ちやすいことも大事であると言われています」

■在宅勤務でリズム崩れ

 立っている時の姿勢と同じように、寝ているときも背骨がきれいなS字形になる状態が理想的だという。圧力を分散することだけを考えると、ひたすら柔らかいマットレスを求めてしまうが、柔らかすぎると重いお尻の部分がぐっと沈み込んで、寝姿勢がゆがんでしまう。いつもよりたっぷり寝た日の朝に腰が痛いというのはそのせいだという。

「従来は、体圧分散性を求めると寝姿勢が悪くなってしまう、二律背反のような関係で両方を実現するのは難しかったのですが、ウレタンで特殊な構造にすることでこれを実現しました」

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