無残だった。リーグ最下位に沈む楽天が、6日の西武戦に0対11と大敗。首位・西武と16ゲーム差となり、112試合を残して早くも自力Vの可能性が消滅した。
とにかく勝てない。開幕戦こそ延長戦の末に勝利するも、2戦目から5連敗。4月は2連勝が1度あったのみで21日から7連敗を喫するなど5勝18敗1分の借金13。5月も2日の初戦こそ岸孝之の快投で1対0の勝利を収めたが、翌3日から4連敗。6日終了時点でのチーム成績は7勝23敗1分の勝率.233で、球団創設の2005年の勝率.281(38勝97敗1分)を下回り、現在のペースで黒星を重ねればプロ野球最多敗戦数(103敗:1961年近鉄)を上回るシーズン110敗ペースという非常事態となっている。
勝てない最大の理由は、深刻なほどの貧打にある。チーム打率.216は12球団ワーストで、31試合で計89得点は1試合平均2.87。規定打席到達者でのチーム内トップは茂木栄五郎の打率.257。その他の面々は、打率2割台前半から1割台の数字が並ぶ。チーム本塁打数23本は5位ロッテの13本を上回るが、打率同様にチームの得点圏打率.211も断トツの12球団ワーストとなっている。
個別に見ると、昨季他球団にとって脅威だった助っ人トリオの低迷が痛い。ペゲーロが打率.194、6本塁打、ウィーラーが打率.237、2本塁打、アマダーが打率.207、5本塁打と低打率に悩み、それを補うべき日本人選手も、銀次が打率.225、岡島豪郎が打率.207、嶋基宏が打率.180と低迷し、打線は著しく繋がりを欠いている。飛躍が期待される若手も結果を残せず、オコエ瑠偉が打率.121、三好匠が打率.133、内田靖人は13打数無安打の打率.000という惨状だ。
投手陣も不甲斐ない。チーム防御率4.58は12球団ワースト。岸孝之は5試合で4度のQSを成功させて防御率1.89、辛島航も5試合でQSを3度クリアして防御率2.56と試合を作っているが、エースの則本昂大に加えて藤平尚真、池田隆英の3人が防御率5点台で、美馬学は防御率6.75。先発投手陣に好不調の波が激しく、たとえ抑えても打線が打てず、打線が打てば投手陣が失点するなど投打の噛み合いも悪い。