
昨年10月、仙台藩祖伊達政宗の生誕450年を記念する「伊達政宗 生誕450年記念」展が仙台市博物館で開催された。
政宗ゆかりの愛刀や書状などの関連文化財230件が展示された仙台市あげての一大イベントで、約2カ月間の期間中に4万3千人もの来館者を数えて政宗への関心の高さを知らしめた。
数多ある「戦国武将人気ランキング」サイトでも常に上位にランクされる政宗のその人気は、1987(昭和62)年の大河ドラマ第25作「独眼竜政宗」が源泉になっている、といっても過言ではない。
「独眼竜政宗」がオンエアされる前年までの三年間の「NHK大河ドラマ近現代史路線」から、再び「時代劇大河」への方針転換はNHKにとってはもっとも勇気ある決断だった。もし視聴率が低迷するようであれば、大河継続が不可能になるかもしれなかったからだ。
朝の連続テレビ小説「澪つくし」(1985)を大ブレークさせた中村克史がチーフ・プロデューサーに就任、「独眼竜政宗」を“あらゆる層に見てもらえる戦国時代のホームドラマ路線”と定義して制作に取り組んだ。中村がもっとも力を注いだのはキャスティングだった。
政宗には“荒々しい男らしさと優しさをあわせ持った新進気鋭”の渡辺謙、彼の前に立ちふさがる豊臣秀吉にNHKのドラマ初出演の超大物勝新太郎、政宗の父母に北大路欣也と岩下志麻、徳川家康に津川雅彦といった豪華な顔ぶれを組んだ。
政宗を生んだ男勝りの強い母・お東を演じた岩下志麻さんは“新生大河”の撮影現場を以下のように回想している。
「とにかくジェームス三木さんの脚本が素晴らしく面白くて、次はどうなるのかとみんな楽しみでしたね。現場のスタッフもいいものを作ろうとして一生懸命でしたし、私自身は我が子政宗を殺害しようとする母親の業の深さ、愛憎の激しさをどう表現するかに没頭していました」
お東は次男を溺愛するあまり常に長男政宗と言い争い、殺そうとまでする。その政宗に扮した渡辺謙については次のように語る。