日本一となり、喜ぶソフトバンクのナイン (c)朝日新聞社
日本一となり、喜ぶソフトバンクのナイン (c)朝日新聞社

 毎年12月に発表される「今年の漢字」。その年に起きた様々な出来事や世相が反映される。では、プロ野球界ではどうだろうか。セ・パ12球団別に、長かったペナントレースを総括し、印象に残ったシーンなども加味し、あえて「一文字」で表してみよう。今回はパ・リーグ編だ。

ソフトバンク 『強』

 開幕直後はやや出遅れながらも、5月以降は安定した“強”さで貯金を増やし続けてリーグ制覇。先発陣では東浜巨が西武・菊池雄星と並んで最多勝を獲得し、守護神のサファテが日本新記録の54セーブ。復調した柳田悠岐にデスパイネが加わった“強”力打線は相手の脅威となり、チーム失策数38はプロ野球最少タイ記録。さらに日本シリーズでも勝負“強”さを見せてサヨナラ決着。2年ぶりの日本一に輝いた。ひと言、“強”かった。

■西武 『星』

 チームが変わったのは7月に入ってから。炎獅子ユニフォームを着て破竹の13連勝と白“星”を重ねて一気に上位2強に迫り、最終的に楽天をかわして4年ぶりのAクラスとなる2位でシーズンを終えた。和製スラッガー・山川穂高が新“星”として打線をけん引し、菊池雄“星”が真のエースへ進化を果たして、16勝&防御率1.97で投手2冠に輝いた。

■楽天 『鳥』

 開幕4連勝を飾ると、その後も飛ぶ“鳥”を落とす勢いで開幕12戦目にして10勝一番乗り。その後も新打線が機能して首位快走を続けた。しかし、ケガ人が続出した夏場以降に急失速。8月30日の西武戦(Koboパーク宮城)では100羽近い“鳥”の群れが襲来するハプニングもあった後、クライマックスシリーズ(CS)ではファーストステージで西武を破ったが、ソフトバンクの前に屈した。

オリックス 『忘』

 4月は2位の好スタートを切ったが、5月に4連敗&6連敗&9連敗と早くも勝ち方を“忘”れて急降下。6月9日には、新外国人のマレーロがデビュー戦で本塁打を放ちながらも本塁ベースを踏み“忘”れてアウトになる珍事もあった。その後も連勝しても連敗する不安定な戦いぶりを続けてBクラスの4位で終了。今季の課題を“忘”れることなく、来季へ繋げたい。

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