長谷部誠(はせべ・まこと)/1984年1月18日、静岡県藤枝市出身。ブンデスリーガ・アイントラハト・フランクフルトに所属するプロサッカー選手。著書『心を整える。』(幻冬舎刊)は、140万部を超えるベストセラー。その印税はすべて東日本大震災の支援のために寄付している。先日の対オーストラリア戦ではキャプテンとしてフル出場。日本を2018W杯へと導いた(Photograph:Masaya Takagi/Styling:Masayuki Sakurai/Hair&Make-up:Miyuki Sato/Coordinate:Hideko Kawachi)
長谷部誠(はせべ・まこと)/1984年1月18日、静岡県藤枝市出身。ブンデスリーガ・アイントラハト・フランクフルトに所属するプロサッカー選手。著書『心を整える。』(幻冬舎刊)は、140万部を超えるベストセラー。その印税はすべて東日本大震災の支援のために寄付している。先日の対オーストラリア戦ではキャプテンとしてフル出場。日本を2018W杯へと導いた(Photograph:Masaya Takagi/Styling:Masayuki Sakurai/Hair&Make-up:Miyuki Sato/Coordinate:Hideko Kawachi)
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(Photograph:Masaya Takagi/Styling:Masayuki Sakurai/Hair&Make-up:Miyuki Sato/Coordinate:Hideko Kawachi)
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 先日の対オーストラリア戦ではキャプテンとしてフル出場、日本を2018年W杯へと導いた長谷部誠。ドイツの所属チームで干されたり、事故のようなケガにあったときでも、前を向いて乗り越えてきた。彼のことを「運がいい」と呼ぶ者も多が……。『アエラスタイルマガジン36号』(朝日新聞出版)でプロ入りからこれまでを振り返った長谷部が明かした、逆境のメンタリティーとは?

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 長谷部誠が最初に日本代表のゲームキャプテンを岡田武史監督から任されたのは、2010年のことだ。このとき長谷部は26歳。以来、2017年3月にケガで離脱するまで日本代表のキャプテンを任され、チームを鼓舞しつづけてきた。その間に開催されたワールドカップ南アフリカ大会、ブラジル大会では、すべてのゲームで先発出場している。

 長谷部の真面目さ、公平さ、ひたむきさ、冷静さ、そしてチームメイトを統率する力。それは、ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと監督が代わっても常に高く評価されつづけてきた。

 実に6年以上の長きにわたってキャプテンを務めてきた長谷部自身は、こう振り返る。

「最初のころは、これをしなきゃ、何かあったら注意しなきゃと、気負っているようなところもあって、余裕がなかったんです。でも、年齢を重ねるにつれ、おおらかにチームを見ることができるようになった気がします。チームというのは本当に生き物なので、その時々で変わっていく。だから、リーダーシップやキャプテンのあり方がこうあるべきというのは自分のなかで固定観念をもたないようにやってきました。キャプテンといえど一選手なので、別に偉いわけではないし、何か決定権があるわけでもない。そこを勘違いしちゃうとチームメイトも付いてこない。とにかく、チームメイトの意見に耳を傾けて、あとは監督と選手の間に入ってバランスを保つ役割をやっている感じです。これをいまこのタイミングで監督に言っても通用しないだろうなと思うときは、のみ込んだりしています。もちろん自分は、日本代表のキャプテンを任されていた期間は長いし、責任も誇りももってますけど、だから、自分が特別だなんて一切思ったことはないですね」

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