その合コンで紹介された男性と何回かデートしました。素敵なバーにも連れていってくれるような人で、私の人生にこんなことがあるのかと、その時はちょっと浮かれました。その男性とは結局続かなかったんですけど、今はお見合いで出会った四つ上の男性とお付き合いしています。あんまりカッコいいタイプではなく、むしろちょっと太っているくらい。お腹も出てるし(笑)。以前なら写真の段階で断っていたかも。でも会ったらすごく真面目に話を聞いてくれる人だったので、安心感があって、私からまた会いたいと伝えました。

 お付き合いして半年くらいかな。私をすごく大切にしてくれることがわかる、優しい男性です。お互いのことがわかり合えるようもう少し時間を重ねて、結婚につながったらいいな、と思い始めています……。

■しぎはらひろ子のプラチナエール

 由希子さんがわずか5時間のあいだに表情も、考え方も、別人のように変化したのは一体どうしてでしょうか?

 それは結局、自己認識・自己肯定感が変化したからなのです。

 例えば、「どれでも自分が着たいと思ったワンピースを自由に買ってきてください」って言われたとしても、今回選んだワンピースは目にも入らずに素通りしていたと思います。なぜかというと、由希子さんは、ああいうものは自分にはムリだと最初から決めつけていたから。

 それが、全く別の世界を知ってしまったら、今の自分のほうが好きって思い始める。そうなるともう後戻りできないのです。自分はなんとなく、このあたりのレベルの“無難な人間”だと思っていたのに、「え? 私ってホントはこうだったの?」と自分の中に隠れていた女性らしさや可能性に気づいた瞬間、届かないと思っていた高みにあったものが全部自分のところにヒューッと引き寄せられるのです。

 それまでだったら「どうせ私なんてムリ」って思うことも、「大丈夫、やれそう」っていうポジティブな気持ちになれるかどうかが大切な鍵だったのです。

 由希子さんの心の中に引っかかっていた失恋の痛み、そして複雑なわだかまりを私に素直に打ち明けてくれたことで、それを乗り越える意思やパワーを服に込めることができました。

 そうやって選ばれた服こそが、由希子さんの今後の人生を美しく輝かせる最強の武器になります。そして心の澱を手離してくれた由希子さんだからこそ、運命の一着をまとう女性へと心が整えられたのです。

 由希子さんのようにネガティブ感情にとらわれる状態は、珍しいことではなく、同様に苦しんでいる女性を私は多く見てきました。

 読者の皆さんのなかにも、心に思い当たる方はいらっしゃるのではないでしょうか。けれど、何か気がかりや後ろめたさがあると、滞りを生み、いつまでも人生の停滞から抜け出すことはできません。

 心のなかが一点の曇りもなく清らかに流れていること。

 それが人として美しく生きるコツであり、人生の願いを叶えるパワーを得ることにつながるのです。

 どうか皆さんも、自分の心にあるネガティブな感情にフタをし続けないで。

 どんな過去も自分の人生の一部だと認めてあげて、勇気をもって未来を輝かせるための糧に変えてください!

(編集/内山美加子 編集協力/河辺さや香)