由希子さん:どうしてって、そんなのムリだからに決まってるじゃないですか。そういう服は似合うと思わないし、そんな格好に惹かれる男性って、信用できない気もします。それにもう30代半ばだし、ラインが出る服を着ると、お腹まわりとかやっぱり気になって……。
しぎはら:男の人ってお腹が出てる、出ていないなんて、実は女が気にするほど見ていないのよ。
由希子さん:えー、そうですか? 普通の女なら、わざわざ欠点をさらけだしたくないと思いますけど。
しぎはら:重要なのは細部よりも全体のイメージ。やっぱり男性が惹かれる女性のイメージというのがあるものなの。その同級生が男友達に囲まれていたのには、やっぱりそれだけの理由もあるのよ。敬遠するよりも、そこから学んだほうが得かもよ。もちろん、ただ真似をすればいいということではなくて、由希子さんの戦略に活かす、という視点で考えたほうが自分のためっていうこと。こういう考え方って、すごく大事だと思う。
由希子さん:うーん……。
■ネガティブな心に支配されている理由
由希子さんはまだここでは懐疑的ですが、恋活中や婚活中の読者の方にも知っておいてほしいことです。男性の目を引き寄せる女性は、ほとんどの場合、絶世の美女というわけではありません。実はその雰囲気がモテの秘訣で、そのことをよく知っているのです。モテ雰囲気をつくる賢い戦略が、装いなのです。
例えば男の人は男性のアイテムにない服に惹かれるもの。そのナンバーワンはやはりワンピースです。形は身体のラインにつかず離れずのソフトタイトシルエット。特にドレープが利いているものは、裸でいるよりもむしろ身体のラインを色っぽくきれいに見せてくれるくらいです。
そしてここ一番、というタイミングにはどんな色がいいかご存じですか? 答えは白。なぜなら白は花嫁のドレスと一緒で純真無垢、けがれなき女性だというイメージを持たれやすいからです。素材は柔らかくとろみのあるシルクや、ジョーゼット、高級なレースが“鉄板”。柔らかな白のワンピースこそが、究極のモテ服だと言えるでしょう。
「男性ってそんな単純?」と思うかもしれませんが、数万人の男性、女性の服飾指導をしてきた私が見つけた、流行に左右されない究極の真実。間違いありません。
さて、この究極のモテワンピに身を包めば、もちろん効果は望めるでしょう。でも、それなら雑誌のモテ服ページをめくればいいだけのこと。自分がどういう意思を持ってその服を装うのか、目的をハッキリさせることが一番大切なのです。
婚活に熱心で、結婚相談所の会員にもなっている由希子さんですが、うまくいったためしがないといいます。華やか(派手)な女性たちへの羨望と嫌悪感、また「あそこが嫌だ」「ここが嫌だ」と、どうしてもお相手のダメなところばかりに目がいってしまうネガティブシンキング。他人のことを全く受け入れられない心持ちでいては、残念ながら恋愛モードへ進むことができません。
しぎはら:今まで誰にも惹かれないって言っていたけど、由希子さんが人生で本気で好きになった人はいるの?
由希子さん:(黙る) ……うーん、過去に結婚したいと思っていた、本当に好きだった人がいたんですが、振られたんです。30の時だったんですけど……。
そこまで話すと、由希子さんの目が赤らみ、ポロポロと涙をこぼし始めました。由希子さんが男性に対してどうしてもネガティブな心に支配されてしまう理由は、ここにもあるようです。
由希子さん:彼と付き合っている間、「結婚」の二文字が彼の口から全く出てこなかったんです。当時、私は30歳で彼は28歳。彼がロースクールを卒業後就職して、まだ2年しか経っていませんでした。経済力もないし責任も負えないから、これじゃ結婚できないっていう気持ちがあったのかもしれないんだけど、私が「結婚」って言葉を出したら結局別れることになった。よく言えば身を引いたのかもしれないし、ただ単に結婚したくなかったのかもしれないけど……。
別れてすぐは食事も喉を通らなかったし、仕事をこなすのも辛くて。本当は会社も行きたくなくて、辞めたいくらいでした。
しぎはら:失恋は本当に苦しいよね。それでも頑張って会社に行ったのね、偉いわ。