その時期、一瞬だけ真剣になったんでしょうね。人間、真剣にやんなきゃいけないときがあるんだなって、いまになるとわかりますけど、最初からみんながそうじゃなくていいんじゃないかってことですよね。まずは何かやってみたらいい。
やってみてわかることもありますし、自分の頭で考えた以上のことが現場では生まれますから。働くことからは逃げられないし、就活がうまくいかなくても、それでも頑張ってみる時期。
周りも頑張ってるのは一緒だから、世間はすぐには君のことを認めないよ。でもそれが普通なんだと思いますよね。社会の人は君が何をやってきたかもしらないし、そんなに興味ないよってこともあるかもしれない。それでもいまは売り手市場で企業も取ってくれるから、まあ何かやってみるってのもアリですよね。
僕はみんなに「いいね、仕事が楽しそうで」って言われますけど、楽しくはないですよね。基本は楽しいからやってるんだけど、それだけじゃなくて毎回自分が中心でいられるわけでもないし、失敗は多々ある。その日の結果によって僕らが仕事が無くなったりするし、1年後、2年後がまったくわからない世界ですから不安はずっとあります。でも悩みも変わってくるんですよ。
20代のときは仕事がない悩みがすごかった。ストレスで自律神経が乱れて病気になったり、片頭痛がひどかったり。
30代になって仕事が上手くいきだすと、楽しい反面、ちょっと恐怖も生まれてくる。それは20代のときの芸能に対する恐怖より、もっと大きな恐怖ですよね。いっぱい悩んだり、考えたりしていたんですけど、40代になると「もういいかぁー」って諦めが出てくるんですよね。考えてもしょうがないって。最終的には、そういう気持ちをつくっていかないといけないと思うんですよね。仕事だけが人生じゃなくて、人生をどう楽しむかってことを考えていかなきゃいけない。そこにたどり着くまでに20代、30代が必要だと思う。