昨季、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島は、交流戦終盤からの11連勝でチームに勢いを付けた。ここまで12球団でダントツの256得点という強力打線が、パの看板投手の前に沈黙しなければ、昨季の再現も望めそうだ。

 その他のチームでは、2年連続トリプルスリーの山田哲人(ヤクルト)、侍ジャパンの4番・筒香嘉智(DeNA)の2人のスラッガーと、菊池雄星(西武)や則本昂大(楽天)など、パ・リーグの誇るスーパーエースの対決も見どころになる。ここまでリーグ最下位の中日は、小笠原慎之助や柳裕也など、次期エース候補の覚醒が期待され、交流戦を浮上のきっかけにしたい。

 いずれにしても、セ・リーグでは2011年以降、15年の東京ヤクルトを除いて、いずれも交流戦最上位のチームがリーグ優勝を果たしている。特に巨人は、交流戦で1位になった2年(2012年、2014年)はセ・リーグの頂点に立っているだけに、交流戦の成績が注目される。

 パ・リーグでは、交流戦通算成績が180勝108敗12分、1位が6回と圧倒的な成績を残しているソフトバンクが今年も強いのか。さらに昨季日本一の日本ハムは、現在Bクラスの4位に低迷しているが、昨季は交流戦で歴史的な逆転優勝へのきっかけをつかんだ。故障で戦列を離れている大谷翔平の復帰は微妙な状況だが、4割打者の近藤健介vsセ・リーグの投手陣は興味深い。

 交流戦で最注目のチームと言えそうなのが、現在勝率2割台で最下位に低迷するロッテだ。交流戦スタートから2年連続で1位になるなど、通算成績でも159勝127敗14分で12球団中2位と、得意な舞台で奇跡のV字回復はあるのか。チーム打率.202と不振の打線が、セ・リーグ相手に息を吹き返す可能性もあり得ないことではない。

 最後に、やや個人的な興味でもあるが、今年の交流戦で是非とも見たい対決がある。交流戦前、日曜日の最後の試合で巨人は田口麗斗オリックスは山岡泰輔が先発した。この2人は、高校時代に夏の広島県大会決勝で田口は広島新庄、山岡は瀬戸内のエースとして、甲子園出場をかけて延長再試合を投げ合った。6月4日の日曜日には、巨人とオリックスの試合が予定されている。先発ローテを考えれば、2人の対戦となる可能性は十分にある。広島大会では山岡に軍配が上がったが、2試合を投げ抜き、試合後には笑顔で握手を交わした2人がプロで再び対戦することになれば、交流戦の醍醐味と言える試合になる。