そんな難攻不落の舞台に今年は日本から5人のプロがチャレンジする。松山英樹はもちろんのこと、5月下旬に行われた日本地区最終予選会を突破した池田勇太、谷口徹、谷原秀人、宮里優作が出場。各プロとも日本男子初のメジャー制覇を目指してプレーする。
それぞれに期待が集まるが、やはり一番の注目は松山だろう。これが全米オープン4度目の出場となる今季の松山は、2月のウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンで優勝すると、マスターズでは7位タイ。米国でも度々、優勝候補となるなど完全にPGAツアーのトッププロとなった。
それを裏付けるように、ツアー公式サイトの優勝候補ランキングで11位になると、Fox Sportsの全米オープンパワーランキングでは4位にランク。昨季覇者のスピース(5位)を上回る評価を受けている。また、予選ラウンドはセルヒオ・ガルシア(スペイン)、ダスティン・ジョンソン(米)というメジャーVを悲願とする2人と同組。松山をこのようなスタープロと組ませるということは、それだけ大会側も松山を評価しているということなのだろう。
さて、その松山は、先々週のザ・メモリアル・トーナメントで予選落ちを喫したことが心配されたが、「最近(良い)成績は出ていないけど、良い形で準備はできたと思う」とこの大会に向けた調整が順調だったことをうかがわせた。
そして「誰が回っても難しいので、それは面白い」(松山)とある種、達観したかのようなコメント。
難関コースという言葉が先行する全米オープンだが、それはプレーする誰でも同じこと。そして松山にそんな状況を面白いと思える気持ちがあれば、冒頭のスピースの予測は外れ、メジャーの頂も見えてくるだろう。
(文・田村一人)