8月に開幕するリオ五輪で、前回惜しくも逃したメダル獲得に挑むサッカーU-23日本代表。本大会に出場できるメンバー18名をどう絞り込むのか。手倉森ジャパンを取材し続けてきた著名ライターに最終メンバー18名を予想してもらう。第1回は元サッカーダイジェスト記者で、スポーツライターの飯尾篤史氏だ。
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優勝で幕を閉じた1月のアジア最終予選から一転、8月のリオ五輪に臨むU-23日本代表に暗雲が立ち込めている。怪我による長期離脱者が後を絶たないのだ。
2月20日に右サイドバックの室屋成(FC東京)が左足ジョーンズ骨折により、全治約3か月と診断されたのを皮切りに、FW鈴木武蔵(新潟)、DF松原健(新潟)、MF中島翔哉(FC東京)、DF山中亮輔(柏)と、まるで何かに祟られたかのようにU-23日本代表の主力選手の名前が負傷者リストに書き込まれていく。
さらに5月14日には、センターバックの奈良竜樹(川崎)がJリーグの試合中に左足脛骨を骨折。全治約4か月と診断され、リオ五輪への出場が絶望的となり、同じくセンターバックの岩波拓也(神戸)までもが、5月末にフランスで行われたトゥーロン国際大会で左膝内側側副靭帯を損傷し、全治6週間と診断されてしまった。
ここにきて、負傷者の多くは続々と復帰してきたものの、予期せぬ事態によってチームを率いる手倉森誠監督が選考の見直しを迫られているのは確かだろう。3人まで起用できる24歳以上の選手――オーバーエイジの絞り込みを含め、歴代の五輪代表監督の中でも困難な状況に置かれているのは間違いない。
トゥーロン国際大会のあと、ブラジルを視察した手倉森監督は9日に帰国。10日に候補選手を35人に絞り込む。その中には数人のオーバーエイジも含まれるという。公にはされていないが、DF塩谷司(広島)、DF藤春廣輝(G大阪)、MF清武弘嗣(ハノーファー/ドイツ)、FW大久保嘉人(川崎)、FW大迫勇也(ケルン/ドイツ)といった名前が候補に挙がっていると報じられている。
こうした状況を踏まえ、7月上旬に発表される18人のメンバーを予想、推薦していく。