看護師になるには、お金がどれだけ必要なの?(※イメージ写真)
看護師になるには、お金がどれだけ必要なの?(※イメージ写真)

■国立が圧倒的にリーズナブル

 看護師になるには、お金がどれだけ必要でしょうか。週刊朝日ムック『看護師になる2016』で、看護師養成課程の平均学費を独自に算出、比べてみました。

 すると、専門学校も大学も、私立は国公立の約2倍の学費がかかることが判明。3年制の公立の専門学校の平均は、約127万円、私立は約250万円。4年制の国公立の大学の平均は約240万円、私立は約648円でした。私立の専門学校と、国公立の大学の費用だと、4年制の国公立大学のほうが低く抑えられているのです。

 看護は理系の学問であり、必要な機器も高額のため、国や地域の補助がなければ、学費は高くなる傾向にあります。

 けれどご安心を。大学の場合、成績優秀者に返済不要の奨学金を給付するところもあります。学費がかからず、給与や手当をもらえる防衛医科大学校のような特殊なケースも。

 また、病院や医師会が設立した専門学校には、奨学金を支給し、一定期間を指定の病院で働けば、返済が免除される仕組みが多くあります。自治体の「看護師等修学資金」という奨学金も、その自治体で一定期間働くと、返済が免除されます。

 奨学金を上手に利用すれば、学費をほぼゼロに抑えることも不可能ではありません。

【コラム:看護系学部の学費が安くはない理由】
私立短大の3年間の平均学費が405万4000円、私立大学の平均学費は4年間で647万9301円。高いのには理由があります。座学が中心の文系学部と違い、看護系学部は病院や学内で実習があります。学内で使用する成人、妊婦、乳児などの病態を模す高性能シミュレーターも高額です。
脈拍、血圧、体温などのバイタルサインだけではなく、せきやけいれんなどの生体反応も再現するため、1体数千万円するケースもあります。設備や施設などに費用がかかるため、学費が高くなるのです。

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