15−16シーズンの頂上決戦となる「世界選手権2016」が、3月30日~4月3日、米国のボストンで開かれる。日本は男女ともに優勝候補をかかえ、熾烈なメダル争いに固唾を呑んで見守ることになりそうだ。
男子は今季、一気に異次元のレベルへと突入した。優勝候補筆頭は、NHK杯とGPファイナルで300点超えを果たした羽生結弦。さらにこの“王者の戦いの新基準”に刺激された現・世界王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)も、1月の欧州選手権で300点超えを果たした。
もちろん世界選手権3連覇の実績をもつパトリック・チャン(カナダ)も負けていられない。2月の四大陸選手権では、フリーで200点超えをマークし、その存在をアピールした。
世界王者経験者であるこの3人による異次元の戦いが予想されるが、この争いに食い込みそうな選手の1人が、金博洋(中国)。3種類の4回転ジャンプを巧みに操る18歳で、2月の四大陸選手権では“ショートで2本、フリーで4本”を成功させ、新たな4回転時代を到来させた。
また宇野昌磨も、4回転は“ショート1本、フリー2本”だが、そのジャンプの質の高さや、演技全体の表現力が武器。大きなミスなくまとめることで高得点へと繋げてくるだろう。
とはいえ、やはり300点超えを経験している羽生とフェルナンデスが、どこまで自分達の記録を乗り越えてくるかが見所になる。2月、3月とトロントのホームリンクで一緒に練習したことで、フェルナンデスは「お互いが刺激しあうことで、高め合っている」という。