手腕が問われる、ハリルホジッチ監督
手腕が問われる、ハリルホジッチ監督

 サッカー日本代表は、東アジアカップで史上初の最下位に終わり、ハリルホジッチ監督に批判の声が噴出した。ただ、大会ごとに一喜一憂して騒ぐのは、日本人の特性とも言える。勝ったら持ち上げ、負けたら梯子を外すように批判するスポーツ紙の「マッチポンプ」方式に、最近ではファンがシンクロする雰囲気が強い。また、ネット社会が浸透して、誰もかれもが批判するのが当たり前という風潮すらある。

 そんな東アジアカップだが、国内組だけで代表を編成したのだから、現在のACLと同様(今年は珍しく柏とG大阪がベスト8に進出したが……)、Jリーグの実力を反映した結果だった。極論すれば、日本もローカルレベルだが、その日本を攻めあぐねた韓国や、勝ったとはいえ防戦一方だった北朝鮮、これといった特徴のない中国を含めて、やはり東アジアは停滞感が否めない。それはオーストラリアを含めたアジア全体のレベルの問題でもある。

 ただ、6月16日のW杯アジア2次予選でシンガポールが日本と引き分けたように、アジア第3勢力のレベルアップは感じることができる。シンガポールに限らず、アジアカップで日本にPK戦で勝ったUAEやシリアなどの台頭も著しい。アジアのサッカー界は今後、レベル差が縮まり、カオスの時代を迎えるかもしれない。

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