「学ぶ」ということは、大学に合格するためだけにするものではありません。受験勉強をしながら、自分の生きている時代に各科目からアプローチすることなのです。これからも、人類は感染症と闘わなければならないことがあるでしょう。そのとき、今年のことを貴重な経験として利用できますか? データを冷静に読み解き、意見をはっきり人に伝えられますか? 文章にすることができますか?そういうことができるようになるために、今勉強しているのです。
実はそれに必要なのは、英単語や古文単語、計算など各科目の基礎知識です。面倒ですが早めに(1)で覚えましょう。覚えるのが早ければ早いほど役立つ期間が長いので、模試の点数にも影響します。暗記は気持ちに多少余裕がないとできないので、焦りが出る前に覚えておくのがコツですね。
そのあとは、夏休みでしっかり問題が解けるようにして、(3)(4)は、過去問を中心に取り組み、合格点まで持っていく。(5)では、ひたすら体調に気をつけて頑張る、ということですね。
受験期は、自分のことだけ考えることが許される実にぜいたくなときです。持ち時間を精いっぱい使って頑張ってほしいと思います。そして、「命」を第一に考える大人になって素晴らしい未来をつくってほしいと願っています。
来春、志望校に合格されることをお祈りしています。最後まで、ご愛読ありがとうございました。どうぞ、皆さまお大事になさってください。
(構成/庄村敦子)
※週刊朝日 2020年4月17日号