推奨品目は次のとおりだ。
「ナッツ・果物・ゆで卵・チーズ・ヨーグルトなどですね。食べすぎを防ぐため、野菜同様、手ばかりがおすすめです。ナッツは片手で握れるくらい、果物だったら握り拳1個分程度を目安にしてください」
お酒はどうだろうか?
「焼酎・ウイスキー・ジン・ウォッカなどの蒸留酒は大丈夫。ビール・日本酒はアルコール以外の糖質量が多いので、極力避けてほしいです」
それでも体重が増えてしまった場合は、運動を取り入れてほしいという。
「運動には食後に上がった血糖値を緩やかに下げる効果があります。ウォーキングは気軽に始められるのでいいですね」
ただし、やみくもに始めても効果が上がるとは限らない。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などの著作を持つフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、こう指摘する。
「散歩の延長線上としてウォーキングを捉える方も多いですが、両者は別物。筋肉を長時間動かしてエネルギーを消費し、糖が体脂肪になるのを防ぐ。これが運動の本来持つ効果です。散歩程度で同じ効果を得るのは難しいと思います」
ウォーキングで運動効果を上げたい場合は、「歩幅」「目線」「頻度」の3点を意識する必要があるという。
「歩幅が長くなるほど、運動強度(きつさ)が高まり、効果が上がります。身長の45~50%くらいを目標にしていただくとよいでしょう。目線はなるべく遠くに。視力の弱い方は足元を気にしてうつむきがちですが、その分、歩幅が狭まってしまいます」
頻度については、こう語る。
「慣れない方が毎日数時間取り組むと、同じ関節運動の繰り返しになり、筋力が弱まっていると関節を痛めかねません。理想は1回30分以上を毎日。運動前に筋トレ、運動後にストレッチも組み合わせるとなお安全で効果的です」
感染拡大を防ぐためにはエチケット面の配慮も不可欠。東京都で都立公園を管理する担当者は、自粛期間中の公園利用を極力控えてほしいとしつつ、こう注意を呼びかける。
「健康上ウォーキングをしたい場合は、人と人の間の距離を取り、1時間以内の利用にとどめてください」