新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言以降、外出を自粛して「家ごもり」生活に突入した人は多いだろう。記者もその一人で在宅勤務を続けていたが、はたと気づいた。「自粛は太る」。移動距離が減ったのに、食事量はいつもと一緒かそれ以上。これでは、体重が増える一方だ。何とかならないものか、専門家に聞いた。
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『管理栄養士が伝える長生き食事術』(光文社新書)などの著作を持つ管理栄養士・麻生れいみさんに、
「自粛期間は食事量を減らしたほうがいいでしょうか」
と尋ねると、次のような答えが返ってきた。
「ダイエットで大切なのは『継続』。摂取カロリーを減らしても、多くの方は長続きしません。量より、見直してほしいのは食事内容です」
記者の場合、普段はラーメン、うどんなどの単品が多い。
「ありがちな食事ですが、栄養バランスは良くありません。炭水化物よりも、たんぱく質の摂取を意識して」
なぜ、たんぱく質?
「在宅時間が増え、運動量が減ると、真っ先に弱るのが筋肉。たんぱく質は筋肉の主な構成要素で、肉類・魚介類・卵・大豆食品・牛乳などに多く含まれます。これらをベースに、野菜・きのこ・海藻類も取り入れて、栄養バランスを意識してください」
摂取量の目安は、肉・魚の場合、成人男性が1日300グラム、成人女性が250グラム。量るのが面倒な場合は、「手ばかり」がおすすめという。
「野菜の場合、手のひら1枚分が約100グラム相当。生野菜なら両手1杯分以上、蒸し・炒め野菜の場合は、片手以上を目安にしてください」
内容と合わせて見直したいのが、3食のバランスだ。
「朝・昼・夜で3:4:3が理想的。お昼に好きなものを食べ、その分、夕食は控えめにするのがいいでしょう」
家にいるといつもより増えるのが間食や晩酌の誘惑。体重を減らすためには我慢したほうがいいのか。
「おやつもお酒も、適量であれば問題ありません」
と麻生さんは言う。
「人間の体に脂肪をため込む『BMAL1(ビーマルワン)』というたんぱく質があります。この『BMAL1』が、体内で最も少ないと言われている時間が15時ごろ。この時間帯に適量のおやつを取ることは、実は理にかなっているんです」