岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、スイス・ウェンゲンの「アルプスの子猫」です。

【今週の猫の写真はこちら】

*  *  *

 3匹の子猫を大事そうに抱える11歳のクララちゃん。まるでアルプスの少女、ハイジのようだ。毎週末、都会から親戚宅の山小屋へ遊びに来ている。

 放牧している山羊が子猫を鼻先でつつくので、彼女はそのたび、自分の体より大きな山羊を諭すように叱り、子猫を守る。

 夕方、山小屋を覗くと叔母さんが山羊の乳搾りをしていた。人の分が終わると、猫用の皿をめがけてミルクをビューッと飛ばして入れる。乳母代わりの山羊とアルプスの少女に守られ、子猫たちはすくすくと育つ。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年6月12日号

著者プロフィールを見る
岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

岩合光昭の記事一覧はこちら