西関脇(6位):藤浪晋太郎(大阪桐蔭→2012年阪神1位)

エースとして甲子園春夏連覇を達成。甲子園で登板した9試合全てで150キロを超えるスピードをマークし、夏は準決勝、決勝と2試合連続で2安打完封と圧巻のピッチングを見せた。少し癖のあるフォームを疑問視する声はあったものの、スケールの大きさと高校生離れした完成度に評価は高く、4球団が1位入札している。

東関脇(5位):藤岡貴裕(東洋大→2011年ロッテ1位)

戦国東都と言われる東都大学野球でも2010年代最高の投手。リーグ戦では2度のMVP、3度のベストナインと最優秀投手を受賞。全日本大学選手権も3年時、4年時と連覇を達成し、2年連続でMVPを受賞した。菅野智之(東海大→巨人)、野村祐輔(明治大→広島)とともに『大学ビッグ3』と言われたが、当時の実力は頭一つ抜けた存在だった。

西大関(4位):大石達也(早稲田大→2010年西武1位)

福岡大大濠時代から九州屈指の右腕として評判で、早稲田大では斎藤、福井優也(現楽天)とともに3本柱として活躍。主に7回以降のリリーフを任されると、1年秋から3年春まで38回2/3連続無失点を記録した。藤川球児(阪神)を思わせるようなストレートの勢いで、リーグ戦通算60試合を投げて奪三振率12.60という驚異的な数字を残した。

東大関(3位):田中正義(創価大→2016年ソフトバンク1位)

高校時代は無名だったものの、大学2年春に150キロ台を連発して鮮烈にデビュー。3年時に大学日本代表として出場したプロ若手選抜との壮行試合では7連続三振を奪い、居並ぶプロスカウトを唸らせた。最終学年は故障で出遅れた影響もあって5球団の指名にとどまったが、年始には全12球団が1位指名の可能性があるとも伝えられたほどだった。

西横綱(2位):奥川恭伸(星稜→2019年ヤクルト1位)

2年春から4季連続で甲子園に出場。3年夏の智弁和歌山戦では延長14回を投げて23奪三振、自責点0という高校野球の歴史に残る快投を見せた。決勝で履正社に敗れて惜しくも優勝は逃したものの、甲子園の後に行われたU18W杯でも圧巻のピッチングでスカウト陣を唸らせた。ステップの幅が狭いフォームを懸念する声もあるが、総合力は大学生、社会人を含めても上位だろう。

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奥川とともに最も「図抜けた存在」なのは?