


著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、漫画家でタレント・倉田真由美さんの「聚福楼」の「羊の背中焼き」だ。
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私はもともと羊の肉が大好物。元朝日新聞記者の本多勝一さんが書かれた『アラビア遊牧民』という本に羊の丸焼きが登場して、高校生の頃に読んで以来、「いつか私も食べてみたい!」とずっと憧れだったのです。ですからこの店で出会ったときは「やっと夢がかなった!」って感激しましたね。まず日本でこんなに豪快に羊が食べられる機会はめったにありませんから。思わず普段撮らない写真まで撮ってしまいました(笑)。
丸焼きにした肉は、お店の人にハサミでカットしてもらって目の前の炭火で焼きながら食べるのですが、骨付きの肉が最高においしい。唐辛子やクミンが入った香辛料をつけてかぶりつくと、香ばしさがたまりません。
いま世の中が自粛ムードで外食もままならない状況ですが、人間って根本的に人と向き合いながら、食べたり笑ったりする生き物。だから、これはやめられない。また友達と心おきなく羊の丸焼きにかぶりつける、そんな日が早く戻ることを願っています。
(取材・文/沖村かなみ)
「聚福楼」東京都豊島区西池袋1-37-16大雄ビル4F/営業時間:11:00~22:00/定休日:なし ※この時期の営業日・時間については、お店にお問い合わせください。
※週刊朝日 2020年6月19日号