自民党でポスト安倍の有力候補として名前が挙がる石破茂、岸田文雄、河野太郎、小泉進次郎各氏は全て世襲政治家。自民党の派閥領袖政治が長く続き、麻生太郎財務相、二階俊博幹事長らの「老人政治」によるバラマキの経済財政政策は、常に将来世代へのつけ回しだった。
年寄り政治がダメなことがはっきりした今こそ、地盤・看板・カバンなき49歳のリーダーにチャンスを与えれば、自民党の「化石政治」へのアンチテーゼとして、国民に大きな希望を与えることができる。
ただ、リーダーを代えただけでは、政権担当能力への不安はぬぐえない。そこで、二つ目の提案がある。民間人の思い切った登用だ。
政権を取ったら、「仕事ができる」民間人を財務、経済産業、経済財政担当などの閣僚に任命することを宣言する。旧民主党系政権成立で即株価暴落という不安を払拭するのだ。これにより、今の自民党の派閥順送り利権内閣に真っ向から対峙する、真の「働く内閣」として、国民の期待は高まるだろう。
そこまでやれば、支持政党なしとなった人々の心をとらえ、政権交代への道を開くことができるはずだ。
※週刊朝日 2020年8月7日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。主著『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)