立憲民主党と国民民主党の合流話がもたついている。「両党解散して新党結成で合流」という大枠では合意したものの、新党名は「立憲民主党」とし、略称を「民主党」とする立憲案に対して、国民側が「新党名は民主的手続きで決定」という条件を付けた。
立憲民主だろうが民主だろうがどうでもいいから早く合流しろと言いたくなるが、実は、この状況を一般の方に解説すると、ほとんどの人から意外なほど同じ答えが返ってくる。
「立憲民主解散で新党の名前がまた立憲民主って意味不明」「昔の民主党に戻るなんて論外」という反応だ。両党の主導権争いや議員の思惑などについて解説しても、全く無駄だ。確かに、これは普通には全く理解できない話なのだ。気付かぬうちに議論が有権者の意識から完全に遊離してしまった。このままでは、多くの有権者が、野党なんかうんざりだという気持ちになってしまいそうだ。
現に、安倍内閣の不支持率が支持率をかなり上回る状況が続くのに野党の支持率は上がらない。かえって下落したという調査も出た。安倍自民党政権には愛想が尽きたが、野党にも全く期待できないという評価がそこにはある。時事通信の直近の調査では、「支持政党なし」が何と6割を超えた。この層には、政治に関心を持っているからこそ与野党両方に見切りをつけたという人が多く含まれる。
新党を作るなら、全く新しい政党だと印象付けない限り、おそらくこの状況は打破できないだろう。中途半端なら野党離れがさらに強まる恐れすらある。
そこで、二つ提案がある。一つは、思い切った代表の若返りだ。
例えば、知名度や「過去の行政経験」などを勘案すれば、小川淳也衆議院議員はその筆頭だろう。当選回数はすでに5回。最近話題の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の主人公として、その真摯な姿勢に共感の輪が広がっている。
小川氏は今年49歳。トップに就く年齢では、米オバマ47歳、クリントン46歳、仏マクロン39歳、カナダ・トルドー43歳と比べて「若すぎる」ことはない。枝野代表はじめ民主党政権で重要ポストにいた「政権担当能力がない」イメージの人々よりはるかに期待が集まるはずだ。