先の選挙で圧勝し、自身の「大阪都構想」実現へ向けて、一歩前進した橋下徹大阪市長。1月末の討論番組「朝まで生テレビ!」では、反橋下派と議論を交わしたが、舌鋒鋭く持論を展開する氏に軍配が上がった印象だった。しかし、同番組の司会者であるジャーナリスト・田原総一朗氏はこうした橋下氏の強さを評価する半面、彼の危うさも指摘する。
問題は、橋下氏が衆院選への候補者を300人も擁立し、200議席を獲得しようと意気込んでいること。河村たかし名古屋市長の「減税日本」、さらには東京の石原慎太郎都知事などと組んで、日本を変えることを画策しているようだが、橋下市長が打ち上げている政策は、石原都知事の姿勢とは異なるというのだ。
たとえば、橋下市長は脱原発で、消費増税に反対しているのに対し、石原都知事は原発反対ではなく、消費増税を認めている。さらに、石原都知事は「新党を作るとすれば、核武装を提唱することが前提だ」と言い切っている。
田原氏は「朝まで生テレビ!」で、この点について橋下市長に何度も問いただしたが、どの質問にも明快に答える橋下市長が、慎重な口ぶりで「答えられない」と言った。
「橋下-石原ラインが日本をどんな国にしようとしているのか、イメージもビジョンも見えてこない。だから危険であり、興味をそそられるのだが」(田原氏)
※週刊朝日2012年2月17日号
田原総一朗
田原総一朗「最終回も首相への進言。今こそ対米従属脱却する好機だ」