書店オリジナルの御書印 (週刊朝日2020年8月7日号より)
書店オリジナルの御書印 (週刊朝日2020年8月7日号より)
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(左上から時計回りに)「青猫書房(東京都)」の御書印 、「パン屋の本屋(東京都)」の御書印、「チェッコリ(東京都)」の御書印、「本とコーヒーtegamisha(東京都)」の御書印 (週刊朝日2020年8月7日号より)
(左上から時計回りに)「青猫書房(東京都)」の御書印 、「パン屋の本屋(東京都)」の御書印、「チェッコリ(東京都)」の御書印、「本とコーヒーtegamisha(東京都)」の御書印 (週刊朝日2020年8月7日号より)

 書店とそこへ訪れる人を結ぶ印として御書印プロジェクトがスタート。本に出合うだけでない、趣ある楽しみが増えた。

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 書店で「御書印お願いします」と告げると、書店員が“御書印帖”にその書店の「オリジナル印」、GOSHOINと記された「共通印」、店名等が記された「店名印」を押してくれ、メッセージ(本の一節や、お店独自の言葉)と来店日を書き込んでくれる(200円)。

 これは、3月から始まった「御書印プロジェクト」。仕掛け人は、小学館刊行物の販売促進を行う小学館パブリッシング・サービスの小川宗也さんと松本大介さんだ。小川さんが書店と人をうまくつなげる方法はないかと考えている時、ふと、御朱印ならぬ、「御書印」というフレーズが降りてきた。

「日本各地の書店はどこも厳しい状況。書店を元気づけ、利益にもつながり、お客さんも喜ぶ永続的な仕組みを作りたかった」(小川さん)

 現在、参加書店は135店。今後も公募し、全国各地に広げていく予定だ。

 松本さんは元書店員で、本の利益率は非常に低く、常に経営努力している書店の苦労をよく知っている。

「御書印料の200円はそのまま書店の利益になります。お客さんも普段行かない書店に足を運ぶことで新たな出合いが生じます。原点回帰で商売ができるきっかけになればと期待しているんです」(松本さん)

 参加書店へのアンケートでは、約4割の客が御書印のついでに本や雑貨などを買うという回答が出ており、好調なスタートと言える。

「旅先で楽しみながら訪問してほしいし、いずれGOSHOINを海外に広げるのが夢です」(小川さん)

(本誌・吉川明子)

週刊朝日  2020年8月7日号