日本の鉄道は山が多いこともあって、トンネルで突っ切る路線が多い。しかしながら、集落などの開発は山や丘の上に及ぶケースもある。その地に建設された鉄道は、当然のことながら標高が高い位置に存在する。「鉄道」の定義は幅広く、その結果、意外な“駅”が上位を占めているのだ。
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■上位4つを占める立山黒部貫光
立山黒部アルペンルートは、標高475メートルの立山黒部貫光(たてやまくろべかんこう)立山(たてやま)駅を起点に、2つのケーブルカー、バス、トロリーバス、ロープウェイ、関西電力の電気バスを乗り継ぎ、北アルプスを横断する。富山県の立山駅から長野県の扇沢(おうぎざわ)停留所まで、総延長37.2キロと短いものの、最大高低差が1,975メートルもあり、距離以上の長さを感じさせる壮大な道のりだ。
日本最高地点の駅の第1位は、立山黒部貫光無軌条電車線の室堂(むろどう)駅で、標高2,450メートル。ホテル立山の構内に室堂駅や立山山頂簡易郵便局を構えている。同社では「立山トンネルトロリーバス」と案内しているが、読者の中には「どこが鉄道なの?」とお思いの方もいるだろう。
鉄道には「普通鉄道」(2本のレールを走る通常の鉄道)のほか、鋼索鉄道(ケーブルカー)、懸垂式鉄道(千葉都市モノレールなどの上からぶら下がるモノレール)、跨座式鉄道(東京モノレールなどの、レールにまたがるモノレール)、案内軌条式鉄道(ゆりかもめなどの新交通システム)、無軌条電車(トロリーバス)があり、トロリーバスは鉄道の一種なのである。また、法律の違いにより「鉄道」と「軌道」がある。
トロリーバス(「無軌条電車」ともいう)というのは、車体や運転席こそ路線バスの車両と似たようなつくりながら、屋根に備えたポールで頭上の架線から集電し、電車と同じ仕組みで走行するもの。法的には鉄道として扱われており、運転士は自動車教習所で取得できる大型二種免許、鉄道事業者に勤務する者でしか取得できない、動力車操縦者運転免許証の2つを持つ。