ヤセ菌が好きな食べ物は、(1)野菜類、豆類、全粒穀類(玄米や五穀米)など植物性食品(2)みそや納豆など発酵食品(3)食物繊維やオリゴ糖──だ。
今回、藤田医師に免疫力を上げる食べ物と、下げる食べ物を挙げてもらいまとめた。藤田医師の近著『免疫力 正しく知って、正しく整える』(ワニブックスPLUS新書)などのデータも取り込んでいる。
また、「デザイナーズフード・ピラミッド」は米国立がん研究所が、がん予防効果があるとして推奨した食材をピラミッド形にランキングしたものだ。がん予防に役立つ食材は免疫力を高めるので、抗ウイルス効果も期待できる。
藤田医師が説明する。
「重要な働きをするのが、植物に含まれる天然の機能性成分である『フィトケミカル』です。1万種類以上あり、活性酸素を除去して老化予防、代謝の促進、免疫力の向上、がんの予防などさまざまな効果があります。ニンジンやトウガラシなどに多いβカロテン、大豆製品に豊富なイソフラボン、トマトなどに含まれるリコピンなどが代表的なフィトケミカルです」
免疫を高める食べ物のナンバー1はニンニク、ナンバー2はキャベツだ。ただし、ニンニクに多く含まれるフィトケミカルのアリシンは殺菌作用が強い分、食べすぎると胃の粘膜を荒らす。藤田医師が勧めるのは「酢キャベツ」だ。レシピは簡単。キャベツ4分の1を千切りにし、天然塩小さじ2分の1を振り、酢100ミリに漬け込む。食べる量は1日100グラムで、毎日1食を朝昼晩いずれかの食前に取る。
「酢には短鎖脂肪酸というものが含まれていて、これが万能薬なのです。2週間食べ続けると腸内環境が改善し、ダイエット効果もあります」
腸に良い食事を2週間も続ければ、腸内フローラの勢力図は変わり、風邪を引きにくくなり、便通も良くなるなど体調の変化を実感できるという。そのためには食事の6割以上を野菜、豆腐や納豆など大豆食品、根菜類が占めるよう心がけることが必要だ。
『免疫力を高めてウイルスに勝つ食べ物、暮らし方』(新星出版社)などの著書がある石原結實(ゆうみ)医師(イシハラクリニック院長)もキャベツの効能に太鼓判を押す。
「ビタミンやミネラルが豊富で疲労回復や免疫力増強、整腸作用などがあります。私の場合は、医学生のときにキャベツをベースとした手作りジュースを常飲することで、長年悩まされていた過敏性腸症候群(腸に異常がないのに便秘や下痢を繰り返す)が快癒したほどです。キャベツに含まれるビタミンCは、解毒や免疫力増強のために働いてくれるので重要です。多くの野菜は加熱するとビタミンCが壊れますが、ジャガイモはデンプンがビタミンCを包み込んでいるので加熱しても壊れにくいのです」