「最近では、ミーガン・ラピノーの発信力が、目を引きます。『イコール・ペイ(男女同給与)』にしても、『LGBT(セクシャルマイノリティ))のコミュニティ』についても、さらに政治的な部分についても語っているので、発信力は非常に強い。海外の選手は、どんどん自分の意見を出しています。そこは『日本人選手にはもう少し頑張ってほしいところだな』と思います。

 また(元アメリカ女子代表の)アビー・ワンバックは、コロンビア大学の中にあるバーナードカレッジで講演会をして、それが後に、本として出版されました。童話の『赤ずきんちゃん』をベースにした内容です。まだ、日本の女子サッカー選手が、どこかの大学で講師に呼ばれて、その講演が本になるということはないでしょうから、発信力と社会に対する影響力という部分ではアメリカにリードされていると思います」

 また、元アメリカ女子代表のミア・ハムや、日本でもお馴染みのアレックス・モーガンは「強く、美しく、かっこいい」女性アスリートの象徴であり、バービー人形にもなっている。

「アメリカ女子代表の試合会場に行くと、アレックス・モーガンや、ミーガン・ラピノーなどの人気選手のユニフォームを着た、若い女の子がたくさんいるんですよね。お父さん、お母さんと一緒に来た小さなお子さんもいますし、高校生ぐらいの子もたくさんいます。彼女たちは、アメリカの女の子たちにとって、憧れの存在になっていますよね。私もWEリーガーが、日本の少女たちにとって、憧れの存在、職業になってほしいと考えています」

 ビジネスの世界で、功成り名遂げた岡島チェアが、女子サッカー界に返り咲くきっかけとなったのは、2018年に開かれたメキシコオリンピック50周年記念パーティーの席だった。

 同卓した元サッカー日本代表の金田喜稔氏が、岡島チェアの差し出した名刺の肩書(メリルリンチのウェルスマネジメント(富裕層の財産運用等)アドバイザー、ヴァイスプレジデント)を見て、「君のような人に、Jリーグの全チームに女子チームを作ってもらうような運動をして欲しい」と声をかけた。

「その場で金田さんから、Jリーグの村井満チェアマン、佐々木一樹さんたちにご紹介をいただきました。その後 、JFAの方に連絡をいただき『WEリーグができるかもしれない』という話を伺いました。私は『何か自分にできることがあれば、お手伝いしたい』とお答えし、リーグのスポンサー、パートナー企業を探すお手伝いをしていました」

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WEリーグに必要なものを兼ね備える岡島チェア