ジャングルポケット 斉藤慎二さん/さいとう・しんじ/1982年千葉県生まれ。2006年にお笑いトリオの「ジャングルポケット」を結成。芸人になる前は会社勤めをし、営業パーソンとして働いていた。現在は俳優やMC、ナレーターとしても活躍する
ジャングルポケット 斉藤慎二さん/さいとう・しんじ/1982年千葉県生まれ。2006年にお笑いトリオの「ジャングルポケット」を結成。芸人になる前は会社勤めをし、営業パーソンとして働いていた。現在は俳優やMC、ナレーターと
しても活躍する
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 美 少年の那須雄登さんが表紙のAERA MOOK『就職力で選ぶ大学2021』。特別付録の「短期大学GUIDE BOOK」では、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二さんが「芝居に打ち込んだ短大時代」を青春時代を思い出しながら語っています。彼女のキスシーンを悶々と眺めたのは、当時の甘酸っぱい思い出だと笑い、短大で濃厚な時間を過ごしたことが、表現力の土台をつくったという。

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「当時付き合っていた彼女が他の男子学生とキスシーンをするときは、めちゃくちゃ嫉妬しましたよね……」

 懐かしそうに青春時代を思い出すのは、「ジャンポケ」の愛称で親しまれるお笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二さんだ。三者三様のおとぼけぶりが魅力の3人組で、「でっかい声」を担当する。

 コントでもトーク番組でも、とにかく声量が大きい。ウケてもすべっても、小さなガッツポーズをつけて繰り出す「ハァ~イ!」という切り札が高らかに響く。

 コントでは常に、舞台俳優さながらの熱の入れようで役柄を演じる。張りのある声と大げさな表情や動きが笑いを誘うが、そもそも斉藤さんは、俳優をめざしていたという。桐朋学園大学短期大学部(現・桐朋学園芸術短期大学)の演劇専攻で濃厚な2年間を過ごし、彼女のキスシーンを悶々と眺めたのは、当時の甘酸っぱい思い出だ。

「役者に興味を持ったのは中学生のとき。僕と同年代の藤原竜也さんが主演の『身毒丸』という舞台作品を映画館で見て、感動しました。高校で演劇部に入りたかったんですが、両親には『野球を続けなよ』と言われて」。

 ただ、幼稚園から続けていた野球は肌が合わなかった。「野球は大っ嫌いでした。当時は一度も好きだとは思えなくて」と苦笑するのは、自分で望んだものではなかったからだろう。「やりたいことをやろう」と思った斉藤少年は高校3年のとき、進路を探す。

「芝居の道に進みたい気持ちが大きくて。いろいろ調べていたなかで桐朋学園大学の短大の存在を知ったんです。卒業生には有名な役者さんや音楽家も多く、理想の環境に思えました」

 オープンキャンパスに訪れると、「ここで学ぼう!」という直感が働いた。キャンパスに近づくにつれ、疾走するようなピアノの音が大きくなってくる。門をくぐると、ピアノにバイオリンが重なり、自分の思いと夢を追う場所がぴたりと合わさった気がした。その後、芝居の稽古場に足を運ぶと、自分の居場所を見つけたような感覚を覚え、入学を決意した。

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