新型コロナの影響で就活に変化が起きている。理系人材を求める動きや地方学生の比率増加などが顕著だ。AERA 2020年10月26日号の記事を紹介。
* * *
広告会社の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズも、積極的に理系採用に取り組んでいる。同グループでは、14年からデータサイエンス(DS)系の学生を獲得すべく、DS系採用に特化した選考を導入。19年冬からはDS系学生向けのインターンシップも開設した。
■超理系採用でスカウト
学生に課したのは、「暗号文」の解読だった。
<%E3%81……>
<%37%250……>
ぱっと見、ただの文字化けのようだが、これは「パーセントエンコーディング」と呼ばれ、見る人が見れば何を意味するかがわかるいわば“暗号”のようなもの。他にも1万回のじゃんけんの結果をAI分析したり、アルゴリズムを使った百人一首などユニークな選考が話題となり、DS系学生の採用数も増加傾向にある。採用担当者が言う。
「超理系採用の課題の一つです。データマーケティングに強い人材を育成するために、データを活用して解くオリジナル課題を出して、優秀な学生をスカウトしています」
DS系採用が増える一方で、課題も感じている。
「ただ口を開けて待っているだけでは、出会いたい学生と出会えないんです」
就活生から圧倒的な人気を誇る同社だが、DS系学生の目に映るのはデータマーケティングの専門会社やITを活用するメガベンチャーが多く、広告会社は選択肢に上がりづらい。ゆえに、2016年に現役東京大生が創業したPOL社がローンチした理系特化型スカウトサービス「LabBase(ラボベース)」も活用し、ターゲットとなる学生にアプローチしている。
例年、学生の人気企業ランキングで上位に入るサイバーエージェントもコロナの影響で変化が生じている。22年卒生のエントリー数が増加し、総合職には例年の2倍の学生が集まった。
同社専務執行役員で採用戦略本部長の石田裕子さんは、こう分析している。