20年に「持続化給付金」を支給された個人事業者や中小企業は約400万件に上る。「家賃支援給付金」とセットで受け取った事業者も多いだろう。実は、事業者向けの給付金の大半が課税対象となっている。持続化給付金も家賃支援給付金も、受給しているならその分を総収入金額に加えた上で、事業所得や雑所得を計算する必要がある。
「今回の申告では、税務署は給付金を受け取った事業者がそれを正確に収入に計上しているかを厳しく見ているはず」と注意を促すのは、前出の税理士の山本さんだ。
これに対し、個人向けの給付金は非課税のものが多い。しかし、例外もある。7月以降のGo To トラベルやGo To イートで得た利益は「一時所得」扱いとなり、生命保険の満期保険金や損害保険の満期返戻金、ふるさと納税の返礼品など他の一時所得との合計が年間で特別控除の50万円を超えていたら、申告して50万円を超えた分の2分の1にかかる税金を納めなければならない。
多くのファイナンシャルプランナーが注意を喚起するのは、Go Toキャンペーンが行われていた際、家族や仲のいいグループなどで何度も国内旅行や高級レストランでの食事などを楽しんだ人だ。付与されたポイントや地域共通クーポンは全員分が代表者の得た利益と見なされるため、幹事役が集中すると、その人に税金の負担が発生する可能性がある。(ライター・森田聡子)
※週刊朝日 2021年1月29日号