新型コロナ感染拡大が止まらない。もし感染してしまいホテル療養となった場合、どんな準備が必要なのか。AERA 2021年2月1日号は専門家と経験者に取材した。
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ホテル療養への備えとは。白鴎大学の岡田晴恵教授(感染免疫学)はこう説明する。
「基本的に個室で過ごし、外出や家族・知人との面会はできません。食事や飲み物は提供されますが、衣類やタオルなどは用意されていないので持参します。感染予防のため洗濯機での洗濯はできないので、自分で洗濯するか、必要枚数を持っていくようにしましょう」
札幌在住の女性(25、ハンドルネーム・コロナにかかったニートさん)は、自身のホテル療養への備えを「結構、完璧でした」と振り返る。
昨年12月7日深夜に38度の発熱と倦怠感があり、翌8日に病院でPCR検査を受けたところ陽性に。喘息持ちだったので急変リスクを考え、医師の判断でホテル療養となった。
療養期間が1週間にもなると聞いてすぐ行ったのが、情報収集だ。ネットやツイッターでホテル療養経験者の体験談を調べ、それをヒントに必要なものを次々と揃えていった。
パジャマにトレーナー、本、ノートパソコン、入浴剤……。いつも一緒にいるぬいぐるみも。食事が大きな楽しみだと考え、梅干しにふりかけ、カップ麺、インスタント味噌汁も入れた。大きなリュックと土産袋が二つ、パンパンになった。重篤な症状に陥らず10日間の療養を終え、自宅に戻ることができた女性はこう振り返る。
「一番持っていってよかったのは、お箸と味噌汁のお椀でした。いつものお箸やお椀は、すごい安心感でリラックスもできました。持っていけばよかったと思ったのはスピーカーです。あればもっと、リラックスして過ごせたと思います」
東京都の飲食店勤務の女性(24)は昨年10月末に感染。陽性判明前の待機期間も含めて7日間を自宅で過ごし、その後4日間ホテルで療養した。
ホテル療養には、インスタント味噌汁やカップスープ、インスタントコーヒー、チョコレートなどを持ち込んだ。ホテル療養が決まった際にネットで体験談を読み、友人に頼んで自宅へ届けてもらったという。
「特に味噌汁は本当にあってよかった。私が泊まったホテルでは、お弁当がどうしてもレンジに入らない大きさで冷たいまま食べるしかなかった。味噌汁の温かさにホッとしました」