そこで同社が活用したのは、就活生の2人に1人が使っているという社員クチコミサイト「OpenWork(オープンワーク)」だ。同サイトでは社員や元社員からのクチコミとともに、評価スコアが公開されている。実は日置電機の総合評価は5点満点中4.2。働きがいや働きやすさで知られる在京の有名企業や外資系企業と肩を並べる水準だ。

 三井さんらは考えた。コロナ禍では社員と直接会って社風を知る機会が失われ、学生はこれまで以上にクチコミを重視する傾向が強まっているはず──。そこで、学生がクチコミと同時に採用情報も見ることができ、企業側からはプロフィルを登録している学生に直接「スカウト」を送れるリクルーティング機能を活用することにした。狙いは当たった。これまでにオンラインで選考した学生は100人超。前年の7倍以上となった。

「九州から北海道まで全国の学生、さらに国内外の留学生ともコンタクトできるようになりました。当社にとってオンライン化は追い風です」(同)

 オープンワークの大澤陽樹(はるき)社長は「就活のオンライン化は、地味だけれども光る地方企業や中小企業にとって大きなチャンス」と話す。同社ではそうした企業を応援するため、リクルーティング機能を22卒に関して昨年12月から完全無料化した。

「学生さんは大手や人気企業に目が向きがちですが、リモートでも働ける時代。全国に目を向ければ、魅力的な企業はたくさんあります。クチコミを活用してミスマッチのない企業を見つけることも可能。焦らず、視野を広く持って、本当に合う会社を見つけてほしい」(大澤社長)

(編集部・石臥薫子)

AERA 2021年3月8日号

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