

月に1回、月末や月初などに同じ金額を投資する「つみたて投資」は、「時間分散」の効果でリスクが抑えられる。では、毎月ではなく「毎日買う」など、購入時期を分ければ分けるほど結果はよくなるのか?
「AERA Money2021春号」では、初心者向けの投資信託やつみたてNISAについて大特集している。その中から、ビギナー向けの記事を抜粋してお届けする。
さて、投資信託の時間分散の効果について紹介する前に、なぜ個人、特に初心者には投資信託が向いているかについて。
個別の企業にお金を投じる株式投資に比べ、たくさんの銘柄に分散投資する投資信託(以下、投信)は、値動きが安定しているのでビギナー向きである。「卵を一つのカゴに盛るな」(カゴを落としたら卵が全部割れるから)という教えに忠実に。
最低でも数万円の資金が必要な株式に比べて、1口100円から買える投信は、少額資金しかない人の味方だ。個人が一人で買うのは難しい高額の株式や海外の株、債券などにも投資できる間口の広さも魅力。
それに加えて時間分散の効果もあるのが、つみたて投資。決まった金額をコツコツ投資するので、値段が高いときには少ししか買えず、高値で買うダメージを減らせる。
逆に値段が安くなったときに多く買うことになるので、そのあと値段が上昇すれば、大きな利益を得られる。卵を一つのカゴに盛ってはいけないが、「卵をいっぺんに何十個も買わないほうが、よりリスクは低くなる」のである。
「つみたて投資の時間分散効果は『ドルコスト平均法』と呼ばれていて、初心者にぴったりです」
と教えてくれたのは、マネックス証券の西尾貴仁さんだ。
「ドルコスト平均法の効果を最大限に発揮するうえで心がけたいのは、2020年3月のコロナ・ショックのような暴落で含み損が出ても、つみたてをやめないこと。