「かなり体に負担がかかってるのが、今のリリーフの現状だと思います。石山だけじゃなくて、そのほかのピッチャーもけっこうたくさん投げているので。ああやって1本(ウィーラーに本塁打を)打たれて勝ち越されてしまったので、あとは繋いで、何とか負担を軽くとは思ったんですけども、結果的にはその後が止まらなくなってしまいました」

 試合後、高津監督はそう話している。9回表に相手に勝ち越しを許した時点で、勝つ確率はかなり下がる。もちろん1点で食い止めていれば、引き分けもしくはサヨナラ勝ちの可能性もあったかもしれない。ただ、そのためにここまで27試合中13試合に登板し、この試合でも投球数が17球に達していた守護神に、さらに球数を費やさせるべきか──。長いシーズンを見据えれば、答えは「否」だったということだ。

 思えばヤクルトは昨年も、開幕から19試合を消化した7月12日の時点では、11勝7敗1引き分けで首位に立っていた。しかし、そこから徐々に失速。首位に立った時点での先発投手の平均投球イニングは5回に満たず、そのしわ寄せがリリーフ陣に来ていた。リーグトップを誇っていた救援防御率は、その後は月別で見ると7月が4.75、8月は5.20と悪化していった。

 だから今シーズンは、リリーフ陣の疲労に対してはより一層の注意を払っているように見える。4日以上の連投に関して、高津監督が「基本的にはさせない」と公言し、4月23日の中日戦では1点リードで迎えた9回のマウンドに清水を送ってそこまで3連投の石山を休ませたのも、その表れだろう。その上で、現役時代には日米通算313セーブを挙げた指揮官は、彼らへの期待を口にする。

「リリーフに関しては、勝ってるとこう(登板過多に)なるのはしょうがないですね。チームの状態がいい時って、リリーフがすごく忙しい。特にウチはそうなんだけどね。疲れはあるでしょうけど、こちらができるだけ気を使ってあげて(彼らも)意気に感じてマウンドに上がってくれてるんだろうなと思ってます。持ち場はいろいろ変わったりする時もあるんですけど、それぞれがしっかり集中してマウンドに上がってくれてると思います」

次のページ
今後の戦いのカギは?