「ジャにのちゃんねる」における、二宮さんと中丸さんのテンションは、語弊があるかもしれませんが、まさに「おじさん」です。ゆっくりしたテンポ、高すぎないテンション、陰キャ属性と呼ばれるやや暗い雰囲気も、今の時代とマッチしています。従来のYouTuberや若いYouTuberのような変に高いテンションや話し方ではなく、淡々としています。この雰囲気が、「おじさん」の層とマッチします。さらに、山田さんや菊池さんが華を添えています。それも20代半ばの方々なので、10代の子たちのようにキラキラしすぎることがない、ちょうど良い華です。この役割のバランスはとても良いと思います。いい意味で、「YouTuberっぽくない」チャンネルになっています。

 さらに、「ジャニーズっぽくない」という点も面白いです。ジャニーズといえば、若くて元気に歌ったり踊るキラキラした男の子たちのイメージですが、チャンネル内での彼らは異なります。ある意味で、素の「ジャニーズの方々」を見ているような安心感があります。芸能人の方のチャンネルは「カッコつける」動画が多いのですが、YouTubeではカッコつけないチャンネルの方がウケる傾向にあります。この点、「ジャにのちゃんねる」のゆるい雰囲気は、ある種の深夜番組やラジオにも似ています。この雰囲気も、ヒットの理由だと思います。さらに言えば、彼らは4人とも芸歴が非常に長い方々です。芸能界で10年や20年以上のキャリアを持っているので、演者として自分が与えられた役割やチャンネルのコンセプトを良く理解して行動できる、素晴らしいプロフェッショナルでもあります。この点において、YouTuberや素人とは一線を画す存在であることは明らかです。それぞれの演者に備わっている素地も、チャンネルの強みです。

 演者の年齢層と、年齢にあったテンションであること、異性向けではない構成と、カッコつけすぎない雰囲気、演者の素地、すべてのバランスが素晴らしいチャンネルは、芸能人の中でも非常に珍しく、とても稀有な成功例だと思います。