「いわゆるできちゃった婚で、子供できたよと伝えたら、一緒になろうかという感じで、張り合いなく結婚生活が始まりました(笑)。孫の顔が見られるというので両親は喜んでくれたのですが、祖母には『早く未亡人になってしまうが、どうするつもりだ』と言われました。反論はしません。寂しいけど、そのときは自分で生きていくしかないと思っていたので」

 前出の山下さんも、お互いの両親や友人に伝えるのが難しかったと言う。

「僕は若くてかわいい奥さんができて、友人たちに新妻を見せびらかして悦に入ってました。でも妻はなかなか自分の友達を紹介してくれませんでした。家族への報告もそう。僕の親は喜んでくれたのですが、妻の親は結局認めてくれませんでしたので、反対されたまま結婚してしまいました。妻はしばらく肩身の狭い思いをしたようです」

 事情は女性が年上の年の差婚でも変わらない。和田アキ子のものまねでブレークしたMr.シャチホコさん(28)と中島みゆきなど多数のものまねのレパートリーを持つみはるさん(51)は18年に結婚。23歳差の年の差婚だった。Mr.シャチホコさんは言う。

「付き合い始めて同棲して、初めてお互いの年齢を知りました。そうだったの?って(笑)。でも無理だとは少しも思わなかった。ただ、僕の親がどう思うかが気になりました。その心配どおり、報告したら変な勘繰りをされてしまったんです」

 当時、Mr.シャチホコさんはまだ仕事がたくさんあるわけではなかったこともあり、お金も持っていなかった。住まいもみはるさん宅に居候している状態。言葉は悪いが「ヒモ」状態だったのだ。

「両親には『お前、一生そうやって暮らすつもりか?』と問われました。借金をしていた仕事の先輩にも『そのままじゃお前、サイテーだぞ』と言われ、初めて世間はそういう見方をするんだとわかったんです」

 Mr.シャチホコさんはそこで一大決心をした。

「両親や先輩に安心してもらうため、1年間という期限を区切り、芸人として自分で稼いで食わせていけることを知ってもらえるよう頑張った。ダメだったら芸人を諦めて普通の勤め人になる覚悟でした。僕が売れないと年上のみはるが矢面に立たされてしまうから」

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