「その間、五輪以外を政治テーマにしない。入管法でもアスベストでも譲歩して、無駄に支持率を下げるのを防ぐべきだ」
「石破茂、岸田文雄は、すでに潰した。要注意なのは、安倍晋三の動きだ。五輪中止なら確実に再々登板を狙うだろう。だが、森友事件再調査をちらつかせれば、安倍も動きにくいはず。さらに、赤木ファイルを総裁選前に公開すれば、決定的事実がなくても安倍の失速を誘うには十分だ。それでも安倍が諦めないなら、赤木俊夫氏の墓を訪れ、雅子さんに頭を下げてもいい。俺には責任がないからできる。さすがの安倍も黙るだろう」
「河野太郎も俺を裏切って出馬する度胸はないだろう。彼の派閥のトップ、麻生太郎もまだ跡目を譲る気はないはずだ」
つまり、菅氏から見れば、9月までに感染拡大を抑えれば何とかなるということだ。医療崩壊で、救える命が次々と失われていることなど彼から見れば「想定内」のこと。権力にしがみつく菅氏に人の心を持てと
言っても無駄なようだ。菅氏のプランAとBを止めるのは誰なのだろうか。
※週刊朝日 2021年6月4日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。新刊『日本を壊した霞が関の弱い人たち 新・官僚の責任』(集英社)など