ローマ発という”マリトッツォ”が人気だ。ブリオッシュ生地にクリームを挟んだスイーツで、隆盛の背景にはコロナ禍の影響もあるという。AERA2021年6月14日号から。
【写真】コーテシーのマリトッツォは売り切れも多いので、予約がおすすめ
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パクッと開いたブリオッシュ生地に、はみ出さんばかりにぎっちり詰まった真っ白なクリーム──。最近、そんなコロンとしたキュートなビジュアルを、やたらと見かけるようになった。
そのひとつにかぶりついてみた。ふわふわのブリオッシュ生地と、さっぱり系の生クリームが奏でるのは、見かけによらないライトな食感。拳大サイズもペロリといけてしまう、ヤバいやつには間違いない。
こちら2021年のトレンドスイーツ、ナンバーワンとの呼び声も高い「マリトッツォ」なるスイーツ。1990年代に流行したティラミスやパンナコッタなど、甘い物好きの心を乱してきたイタリア生まれのスイーツは数多いが、かの国から令和の日本に放たれた最新スイーツとなっている。
■春から投稿が急増
「マリトッツォというワードは、昨年9月頃から投稿に出現し始め、今年の春になると一気に投稿が増えています」
グルメアプリ「SARAH」に集まった投稿データを集計・分析するサービス「FoodDataBank」のプロダクトマネージャー倉内彰さんはそう話す。目立つのは、20~30代の女性からの投稿だという。
マリトッツォはそもそもイタリアのローマ発祥の伝統的なお菓子で、一説には古代ローマ時代に生まれたものとも。そんな歴史あるお菓子が、なぜここ数年、日本でヒットすることになったのか。きっかけのひとつが、コロナ禍だった。
「午前中に集中しがちな、店内の混雑や行列をなんとか分散できないか。そう考えて、午後のおやつタイムに買いに来てもらえるようなメニューを探した。弊社は系列にイタリア料理店もあり、いきついたのが、マリトッツォでした」
昨年2月からいち早くマリトッツォの販売を始め、今回のブームの火付け役と呼ばれることも多い福岡のベーカリー「アマムダコタン」のエリアサービス長の小川裕司さんはそう話す。