WBCでは2大会連続で準決勝敗退の侍ジャパン。今大会は順調に勝ち進めば、準決勝で「ドリームチーム」米国と激突する。3大会ぶりの優勝の鍵となるのは、守護神が誰になるかだ。AERA 2023年2月6日号の記事を紹介する。
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侍ジャパンは前回大会で1、2次リーグとも3連勝で突破したが、準決勝で米国に1-2で敗れた。惜敗に見えるものの得点は菊池涼介(広島)のソロ本塁打のみ。散発4安打で、3番・青木宣親(あおき・のりちか 当時アストロズ、現ヤクルト、41)、4番・筒香嘉智(つつごう・よしとも 現レンジャーズ傘下)、5番・中田翔(現巨人)の主軸は無安打に抑えられた。米国に駐在する通信員は言う。
「侍ジャパンの打者たちは手元で動く150キロ超えの速い球に対して苦しんでいた。NPBでは体感したことのない球質なので、対応するのが難しかったと思う。ただ、今回は大谷翔平(エンゼルス、28)、日系人のラーズ・ヌートバー(カージナルス、25)、鈴木誠也(カブス、28)がいる。吉田正尚(レッドソックス、29)もミート能力がある」
「ポイントは投手陣です。先発はもちろんですが、救援陣が米国の強力打線を抑えられるか」
■守護神がだれかも注目
今回は栗林良吏(広島、26)、大勢(巨人、23)、湯浅京己(ゆあさ・あつき 阪神、23)、宇田川優希(オリックス、24)、松井裕樹(楽天、27)と球界を代表する救援投手たちが選ばれた。彼らに共通するのは、快速球と縦に落ちる変化球が武器であることだ。大リーグでも落差の大きい縦の変化球を投げる投手は、空振りを奪えるので重宝されている。金メダルを獲得した21年夏の東京五輪では栗林が守護神を務めたが、栗山英樹監督はどのような構想を描いているか。
大会連覇を飾った09年大会では、侍ジャパンの指揮官だった原辰徳監督が驚きの配置転換を敢行した。守護神を務めた藤川球児が1次リーグ、2次リーグの計4試合で無失点に封じたが、準決勝から先発の柱だったダルビッシュが抑えに回り、準決勝・米国戦、決勝・韓国戦では最後のイニングを締めた。