「すごいよ! すごい。ドイツに続いて、スペインにまで勝つとは。それも逆転だからね」
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そう興奮して話すのは奥寺康彦さん(70)である。奥寺さんは、ドイツ・ブンデスリーガで活躍した初めての日本人であり、世界をよく知る日本サッカー界のレジェンドである。
「奇跡と言うと選手に失礼な気がします。成し遂げたことは大きい。やればできるんだ日本は!と思わせてくれました」
日本代表はグループリーグの初戦でドイツに2‐1で逆転勝利すると、第3戦のスペイン戦も前半に先制されたが、森保一監督の交代策が当たり逆転勝利。首位で決勝トーナメント進出を決めた。
技術的な部分ではドイツもスペインもかなり上で、その差はまだある。だが一瞬のチャンスを作り出す能力が今回の選手たちにはあった。そのチャンスを逃さなかったのが勝因であり、今の日本代表にはその能力があると、奥寺さんは分析し、力を込めて話す。
「ドイツ戦を現地カタールで見たのですが、一緒に見ていた外国の友人から、勝ってよかったね、すごいねと祝福されました。日本の選手たちをとても誇りに思いました」
ただ、リードしながらも、終了間際に逆転された前回大会のベルギー戦が一瞬脳裏をよぎったという。奥寺さんが続ける。